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ただの物語22 戦場

何気に出てきたものです。
一応某経由にて相手には確認済み(苦笑)

もしかしたらちょっと違うことがあるかもですが、このようなことがあったのは確かのようです。

 これはただの物語です。
さらっと流してくださいね 

******


 すでに全体に囲まれているのはわかった。
 今回の指揮官は本当に無能だった。
 その状況を知るや否や投降を真っ先に口にしたのだ。
 だが相手の状況はこちらの殲滅を意図したものだった。
 ここまで来て投降して本当に命があるのだろうかという疑問も残る。

 緒戦に勝って変に勢いづいた指揮官は、相手の状況に気づかず結果として自分たちを不利へと導いた。
 引きべきところで引かず、勢いだけの指揮官は逆襲されると途端に浮足立ち、撤退を指示した。
 結果として4割の兵を失うこととなった。
 これでは無事に帰っても良くて信頼は失墜、下手すれば降格・左遷という事態だ。

 まだ基地までだいぶある。
 基地とも連絡も取れず孤立し、一時避難しているなんて考えられないことだ。 

 そんな指揮官を横目に見て、とりあえず敵の状況を知るために高台に偵察に出る。
 もちろん指示はないが、自らの状況を相手任せにしたくないし、指揮官は今はそんなことさえ思いつかないだろう。
 もちろん勝手に行動することを悟られるようなまねはしない。
 
 高台に出る前に隠密結界と防御結界を周りに張り巡らす。
 そうして魔法とサイキック能力で相手の状況を読む。
 偵察に出していた端末が状況を教えてくる。
 それを一つ一つつなぎ合わせ、自分の中で相手の布陣を作り上げる。
 向こうは向こうで既に勝利を確信しているようで、優勢ながら穴のある布陣を敷いている。
 これならまだ反撃の余地はありそうだ。
 問題といえばこれに気づかない指揮官だけだ。

 あの指揮官だと下士官である自分が注進しても結局無駄だろう。
 どうしたものかと考えあぐねる。

 一番いいのはあの指揮官に他の誰かに指揮権を譲ってもらうことだが、そう簡単にはしないだろうし、その譲る相手も問題になる。
 腰巾着どもに譲られてもこちらも困る。

「大怪我でもしないかな」

 ふとそんな物騒なことを呟いてしまう。

「何か物騒なことを言っているな」

 不意に後ろから声がかかる。
 振り向くと褐色の肌に黄金の髪をたなびかせた別の隊の曹長がにやにや笑って見ていた。
 確かグラッツェランスとかいったか。

「危ないぞ、そんなとこにいると相手側から丸見えで狙撃されるぞ」

 そう忠告をよこす。
 わざわざそれを言いに来たのか。

「大丈夫だ。そう簡単に相手に見えるシールドも、そんなに柔い結界も敷いた覚えはない」

 そう言い返す。
 誰にも悟られずに抜け出したつもりだったのだが。

「ふうーん、お前さんも結構出来るやつのようだな」

 そういうセリフに引っかかりを覚える。
 まさか。

「こっそり他の奴らに気づかれないように抜け出してここまで来れる胆力と、度胸が気に入った。俺に付かないか?」

 言われて一瞬怪訝な顔になる。

「大丈夫だ。他のやつらは俺たちが抜け出してこんなところで会話しているなんて、夢にも思っちゃいないよ。ちゃんと型代を置いてきたからいると思い込んでいるよ、お前さんと同様にな」

 なるほどこいつも魔法を結構使うやつなわけだ。

「ふうん?どうするつもりだ?」
「まず、あの無能な指揮官は殴り倒して気絶させる。理由は心身衰弱のため、味方に不利となる行動をしようとしたため、と言えばこういう戦局の場合はたいてい認められる」
「ふん、どちらにしても帰ってからの証言で、反逆罪で訴えられかねない」
「もしくは次の襲撃のどさくさにまぎれてはぐれてしまえば良い。そうすれば嫌でも指揮に従う理由がない」

 そう説明しているのを見ると、どうやら後者が有力のようだった。

「で?」
「今はもうほとんどが俺に付くと言っているな。佐官クラスぐらいだ、この状況で無能な少尉に従わないといけないと思っているのは」

 それを聞いて驚いた。
 いつの間にそれだけの人心掌握をしていたのだろうか。
 戦局と配軍を気にしていた為に気づくのが遅れたのだろうか。

「お前さんが出て行ったほんの数分で話はきまったから、気にする必要はない。どんな戦局になっているか把握するのは、お前が一番だと聞いたしな。
 どうする?この状況であれに付くなら今ここで気絶してもらうけど?」

 そういう彼は顔は笑っていたが眼は冷静に鋭かった。
 なるほど、もともと上に立つ器の訳だ。
 それを見極めてこちらも状況を説明する。

「相手は次の襲撃でこちらを全滅させるつもりのようだ。ただし使うのが掃討船になるようなのでそこが逆に狙い目だと思う。
 相手はそれで油断しているため、包囲網にあちこち穴がある。
 そこをうまく付けば基地に戻ることも十分可能だ。
 砲撃が開始されれば、どさくさにまぎれてはぐれることはできると思う。
 ただし上官を見捨てたという罪を問われかねないが?」
「ま、それも上官クラスが生きていたら、だな」
「そちらの方がよほど物騒だ。
 わざわざそうしなくても自分から指揮権を誰かに与えるように言質と証明をとればいいだけだろ」
「できるのか?」
「たぶんね」

 そう言って偵察に出していた端末が帰ってきたのを回収する。
 見た目はただの掌におさまる薄い半透明のかけらだ。
 一般的に龍の鱗と呼ばれているものだ。
 ひと固まりにするとただの水晶のようにしか見えない。

「へぇ、それどうやるんだ?」
「魔法とサイキックと技術の融合。詳しくは企業秘密」

 そう言って端末をしまう。

「ではまず相手方の布陣を説明しましょうか?グラッツェランス曹長?」
「デオンでいい。こちらも名前で呼ばせてもらう、エル・フィン」

 名乗った覚えのない名前を言われて、怪訝な顔になる。
 それに気づいたらしくにやりと笑った。

「そう呼ばれているのを聞いた。違うのか?そもそもお前は目立つしな」
「……」

 言われて嫌な気分になる。
 目立とうと思ったことはまるきりないのだが、どうやら自分は目立つらしい。
 気をつけようとつくづく思った。

 相手の布陣を説明すると、デオンは直ぐに飲み込んで作戦を立てた。
 確かにそれなら無事基地に帰還することができるようだ。

「ならば、ドラゴン達にも協力を仰ごう」
「ドラゴン??どこにいる?」
「俺の部隊は半数は人型を取っているがドラゴン達だよ」
 
 そう言うと面白そうだった。

「へえ、気づかなかった。隠密魔法でも掛けていたか?」
「似たようなものだ。では指示をどうぞ?指揮官殿?」

 冗談めかして言うとデオンはにやりと笑った。


 戦況を説明しに行った時、指揮官はまず勝手をしたことを怒り、さらに状況を知って恐れまくった。
 どうやら半分パニックになっているようだ。
 掃討船と聞いて周りの腰巾着どもも右往左往している。

 そこを突いてうまく言い募り、指揮権をデオンに委託させる。
 もちろん略式の命令書も作成させた。

 結果としてデオンの戦略が当たり、けが人は出たものの、それ以上兵を減らすことなく無事帰還できた。

 その指揮官はお偉方の息のかかっている人だったらしく、降格はなかったが部署移動はさせられていった。

 一方デオンはこの功績にて昇格をした。
 もちろん俺も一緒にその任命を受けたのだった。


******

という訳で頼りになる同僚との出会い編です。
本当なら向こうの方が年上なのにねぇ、そんなに階級が変わらないっていったいどうしてなのやら。
そこんとこは全然出てきません~。

これの関係でしばらく同じ隊に居たりして。

ちなみにこれのすり合わせをお願いした時に、友人とこでは何かひと悶着があったとかなかったとか(苦笑)
ま、雨降って地固まったようなのでほっておきましょう。


*これの目次などについては「ただの物語について」をご参照ください。
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Comments

ご心配をおかけしました(汗)

裏話として書いている間に、

>本当なら向こうの方が年上なのにねぇ、そんなに階級が変わらないっていったいどうしてなのやら。

ここのいきさつらしきものが・・・。

このお話のおかげで、すっかりあてられっぱなしに・・・。
これって、無自覚に爆弾i-193送っていたお返しでしょうか?i-237
Posted at 2009.08.23 (21:32) by wakka○ (URL) | [編集]
> ご心配をおかけしました(汗)

・・・・・・、心配して損しました。
ええ、本当に。

> 裏話として書いている間に、
>
> >本当なら向こうの方が年上なのにねぇ、そんなに階級が変わらないっていったいどうしてなのやら。
>
> ここのいきさつらしきものが・・・。

おや、それはそれはとても興味あります~~♪
こっちは全然わかりませんので。

> このお話のおかげで、すっかりあてられっぱなしに・・・。
> これって、無自覚に爆弾i-193送っていたお返しでしょうか?i-237

本体はお返しした覚えはありませんが……。
まあ、そうかもしれないですねw
Posted at 2009.08.23 (22:47) by たか1717 (URL) | [編集]
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参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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