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水晶薔薇庭園館綺譚9 遊撃隊の仕事(6月頭くらい?)

「あそこと、あそこです」

 部下となったフィリアが指すところを見ると確かに2か所に不具合が出ていた。
 広い公園の「空」に当たる部分。
 あるはずのない歪みというか、穴というか……。
 しかも勝手にふわふわと動いている。

「ひとつを直すとなぜか他にも出現するんです」
「ということは、二か所同時に修正しないといけない、ということか?」
「それは考えてみませんでした。けど、近くにあるならともかく離れた場所を同時に修正することは……」

 確かに一人でやるには相当の技術が必要だ。
 しかもどういう歪みかよくわからない場合、下手すれば歪みが拡大する恐れもある。
 上の方々のように分身できれば一番手っ取り早いのだろうが、自分たちがまだそこまでいっていないのは分かっていた。

「二人でやるか、タイミングは合図する。まず穴を塞いでから調和、すべて息を合わせられるな?」

 そう言うとフィリアが心配そうな顔をした。

「でもここ、飛行機械使用禁止ですよ。同じく魔法で足場を作るのも……」

 天使エリアで自由に翼での飛行が許可された公園だ。
 そのため他の飛行するもの、妨げるものが禁止されている。

「飛ぶしかないか……」

 ちょっとうんざり気味にいう。
 面倒だが仕方がない。
 いちいち許可を取る手間を考えると、あるものを使うのは急いで直さないといけないこの場合は当たり前だ。
 
「え……??」

 驚くフィリアを放っておき、翼を広げる。
 青味がかった紫の翼。
 飛ぶのは先月以来か、ならまだ感覚は大丈夫だろう。

「行くぞ、フィリア」

 呆然としているフィリアに声をかけて、ひとつのゆがみへ向かって飛ぶ
 慌ててフィリアも飛んでもう一方へ向かう。

 エネルギーをコントロールしながら羽を広げて空中に停止。
 久しぶりのためかうまく安定しにくい。
 まったく、これからたびたび飛んで感覚を磨いておくしかないのか。

 歪みは変なエネルギーを蓄えており、穴をふさぐと同時にそのエネルギーを全体に拡散する必要があった。
 そうしないとそのエネルギーが他で凝縮し、また別の場所に穴が開くという仕組みだ。
 どこかで流れが悪くなっていて、その為エネルギーが溜まって破綻したようだ。

(フィリア、位置についたか)
(は、はいっ)

 離れたために心話で確認する。

(穴をふさぐと同時にゆがみにたまった不要なエネルギーを公園全体に拡散する。ついでにエネルギーの滞りも消えると思うが出来るな?)
(あ……、やります!)
(ではカウント、3、2,1、修復)

 穴をふさいで同時にエネルギーを拡散するために全体にまんべんなく流す。
 何箇所か流れが悪いところがあったが、逆にそれで流れがよくなるのを確認する。
 フィリアの方もなんとかできたようだ。

 もう一度エネルギー網に手を置き同調させ、フィリアの方の流れを確認する。
 また滞ってエネルギーが蓄えられるのを強引に流し、拡散させる。
 そしてそこがまた実質で直さなくてはいけない個所だということを知る。
 しかたがない、ついでだから交換しておくか。

 下の方だったのでいったん降りる。
 同時に翼をしまう。

「お疲れ様、フィリアは次に行くように。俺は見つけた不調箇所を交換していから行く」

 そう声をかけると、はい、と言いながら何故かすぐに動かない。
 不審に思って声をかける。

「何だ?何かほかに質問でも?」
「いえ、あの、エ…隊長も天使族だったんですか?」
「大昔な、他に質問は?」
「いえ、ありません」

 そう言うとフィリアは書類を持って次にむかった。
 俺はそのままエネルギーの流れが不調だったところを確認して、エネルギー網を交換する。

「よう、エル・フィン、久し振り」

 そう声をかけられて、振り返ってびっくりする。

「セラフィト様、お久しぶりです」

 パネルを元通りに戻してからきちんと向き合う。

「なんだ、また臨時バイトか?」

 からかうような口調にふと微笑む。

「違います。何かご用でしょうか?」
「いや、近くを通ったら珍しい奴の羽の波動を感じたから見にきた」

 少し前にどうしても人手が足らないといわれ、セラフィト様の下で共有エリアの警備班の仕事の手伝いをした。
 天使族でありながらセラフィト様は共有エリアで仕事をされていた。
 その際にどうしても翼が必要になったので広げたところを下に見られたことも思い出す。
 その時に掛けられた言葉も。

 それゆえに下がそのことに対して色々と調べ、さらに天使時代を思い出したのもそれがきっかけだった。
 さらにしばらくはその件に関してうだうだとしていたのも思い出す。
 それはそれでこちらもずっと嫌悪してきたことだった。

 しかし下はこちらがずーっと受け入れられなかったことをあっさりと受け入れると決め、実行したのには驚いた。

 結果として今すでにそれまでのこだわりがかなり小さくなっている。

「御用がそれだけでしたら、失礼してもよろしいでしょうか?」

 まだたくさんの案件が残っているのを気にして、そう伺った。

「忙しいのか?」
「ええ、残念ですが、お話はまた今度」

 そう言って立ち去ろうとしたら、セラフィト様はなぜかついてきた。

「一体今度はどこの仕事を受けたんだ?」
「……天使(この)エリアのセキュリティ部門です」
「なんでまた……。あそこは確かトップが過労で倒れて入院したと聞いたぞ」
「それは知ってます」
「ならばやめとけ、やめとけ、そんな場所。本気で仕事する気があるならこっちに引き抜くぞ」
「ですがそのあとを継いだ方を放っておけないので」

 そう言うとセラフィト様は妙な顔をした。
 ちなみにこの会話の最中にすでに2件の修繕をこなしている。
 そのたびにセラフィト様は「おー、やるねぇ」と感心してらした……。

「あのなぁ、いいのか?天使エリアのセキュリティといったら、嫌でも会うことになるぞ」
「一応そのあたりは他に割り振ってます。会う気はありません」

 そう言いきるとセラフィト様は大げさにため息をついた。
 
「まあ、そこまで言うなら勝手だけど……。じゃあ、一息ついたらこちらの仕事もまた手伝ってほしいんだけど、どんな感じだ?」
「それは今後一切無理だと思います。申し訳ございません」

 あっさりと言うとセラフィト様はさらにため息をついて頭を抱えて呻いた。
 いったいなんだろう?

「ったく誰だよ~~~~~~っ!こいつを引き抜いた奴。こっちで使う予定だったのに~~~~」
「勝手に決めないでください」

 うめき声を聞いてちょっとうんざり気味に言う。
 共有エリアの警備&セキュリティは確かにやりがいのある仕事だと思う。
 しかしあまりにも煩雑なことが多すぎて、自分には向かないと思っていた。

「エル・フィン!…じゃない、隊長!……っとセラフィト様っ?!」

 急ぎでやってきたセーラムがびっくりしたように目を見張った。

「んだよ、セーラムもかよ。将来有望株ばかり引き抜きやがって……」
「どうした?セーラム。何か緊急要件でも入ったか?」

 それぞれお互いを無視して発言すると、セーラムが迷ったように自分とセラフィト様を交互に見る。
 しかし緊急要件を先にするべきだと一瞬で判断したようだった。

「○○でちょっとユーリグでは手に負えない事態に発展していて」
「どんな感じだ?」

 ざっと聞いた感じでは確かにユーリグでは難しそうだった。
 他の隊員も今の優先事項で手一杯なはずで、通りがかったセーラムがついでとばかり、連絡をしに来たのだった。
 セーラムの持っている案件も考慮して、さらに自分が持っていた書類をもう一度目を通し、いくつかピックアップする。

「わかった、俺が行く。すまないがこの2点を任せていいだろうか?」
「わかりました、じゃあ、よろしくお願いします」
「誰が声掛けて引き抜いたんだ?セーラム」

 いきなりセラフィト様に口を挟まれて、二人で驚く。

「私が声をかけましたが?」

 とりあえずという感じで答える。

「お前なぁ、所属決めずにふらふらしていた時の縁を使いまくったな」
「当たり前でしょう。使えるものは使わないと。では失礼します」

 強引に話を終わらせて、ユーリグのフォローに行こうとする。

「わかった、じゃあ、そこが嫌になったらいつでも声をかけてくれ、エル・フィン。セーラムも」
「ないと思いますが、覚えておきます」
「私も同感です」

 セーラムが同意を示すとセラフィト様は苦笑をした。
 そしてその方を置いてそれぞれ持ち場に向かった。

~・~・~・~・~・~

分割しようかと考えたけど、分割できませんでした(-人-)
時期的には遊撃隊長就任後しばらくのあたりかと思います。

つーわけで、いうわけで共有エリアの警備責任者というか部門長のセラフィト様のご登場です。
実は本体も昔2・3回この方の下(と言っても本当に末端)でバイトをしていたよーな覚えが……。

最初この方を解凍した時、本当にいらっしゃるか実は実感がなくて(笑)
ビジュアルのお持ち帰りが出来てないのが原因ですが(波動が高くて声しか持ち帰れない)上司筋に確認したところ、やっぱりいらっさると……・。

更に飛んでもねーことが発覚したりして。
おかげで一つ疑惑が増えてたりして(笑)

そっちはもう、知らね~。(ノ--;)ノ
※そちらは「銀月物語87 星の隙間」をご覧ください。

ちなみにセーラムさんは副隊長になります。
かれも主天使になるのかな~?たしか。
髪はストレートで、腰くらいの長さまでありますが、飛ぶ時にどーなっているかは私は知りません。
かなり前からの知り合い、とゆーか、友人のはず……、なんですが。
ごめんなさい、下こんなんでorz

*登場人物に関しましては「水晶薔薇庭園館綺譚について」をご参照ください。
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Comments

みなさん、羽ばたいてらっしゃいますね。

・・・ってか、たかさん、思い出しているじゃないですか~ぁ。
また、やさぐれたくなってきた(笑)
Posted at 2009.08.07 (18:51) by wakka○ (URL) | [編集]
> みなさん、羽ばたいてらっしゃいますね。
>
> ・・・ってか、たかさん、思い出しているじゃないですか~ぁ。
> また、やさぐれたくなってきた(笑)

どこがっ!!
全然ですよ~、日食からこっちはまるっきりですよっ!

時間軸もメッチャクチャだし~。
本当にヤサグレたい気持ち。
Posted at 2009.08.07 (22:27) by たか1717 (URL) | [編集]
二人でやさぐれられたのに・・・(笑)

かといって、上でやさぐれるのはなんか癪じゃありません?
いつか、下で一緒にやさぐれましょうi-236
Posted at 2009.08.07 (23:01) by wakka○ (URL) | [編集]
やさぐれるって・・・
wakka○さんには家庭教師さん来たし、
たかさんもこんなに下ろしておられる。
お二人とも、こんなにすごいじゃないですか・・・・

Posted at 2009.08.08 (00:40) by かほり (URL) | [編集]
かほりんも含めて、3人とも凄いのに
何故にやさぐれる必要がおありで?(笑)

私なんていつも「そんな気がする」ってだけで
皆さんの会話に勝手に話しに加わってますよ?

自分のことなんて自分では何一つわかってないです♪
だから、3人の書くお話が今でもどこかファンタジーなんですけどね☆

っていうか、エル・フィンさんってばどんどんかっこよくなってきて~
出来る男!って、大好き♪

私も羽根を出して飛びたい~☆
Posted at 2009.08.08 (08:39) by *ひなた* (URL) | [編集]
> 二人でやさぐれられたのに・・・(笑)

いや、まったく本当に(笑)
マックの片隅でヤサグレ隊をやっていたりしてね。

> かといって、上でやさぐれるのはなんか癪じゃありません?
> いつか、下で一緒にやさぐれましょうi-236

上でヤサグレられないんですよ、本体今どーなっているのか、単独存在できなくて。
本当にいつか下でヤサグレましょう。
Posted at 2009.08.08 (12:24) by たか1717 (URL) | [編集]
> やさぐれるって・・・
> wakka○さんには家庭教師さん来たし、
> たかさんもこんなに下ろしておられる。
> お二人とも、こんなにすごいじゃないですか・・・・

家庭教師が来たり降ろせたりするからすごいわけじゃなくww
自分自身のことが未だに全然なので、もう、どうしようもないという(笑)

難しいですよね。
Posted at 2009.08.08 (12:25) by たか1717 (URL) | [編集]
> かほりんも含めて、3人とも凄いのに
> 何故にやさぐれる必要がおありで?(笑)
>
> 私なんていつも「そんな気がする」ってだけで
> 皆さんの会話に勝手に話しに加わってますよ?

ひなたさん、最強!!
そんなあなたが好きだv-238

> 自分のことなんて自分では何一つわかってないです♪
> だから、3人の書くお話が今でもどこかファンタジーなんですけどね☆

ああ、なるほどねぇ。
でもその気持ち分からなくもないですよ。
未だに実感が時々どっか出張するので~。

> っていうか、エル・フィンさんってばどんどんかっこよくなってきて~
> 出来る男!って、大好き♪

ありがとう♪
式典はもっと仕事がんばってましたよん♪(←他人ごと・・・・・v-356

> 私も羽根を出して飛びたい~☆

元天使族または有翼人種なら持っているはずですが、そこんとこどーでしょう??
Posted at 2009.08.08 (12:28) by たか1717 (URL) | [編集]
遊撃隊長さんのお仕事、こういうことをされているんですねぇ~。
そりゃお忙しい訳だ…(^_^;)
すごい臨場感があって興味深く読ませて頂きましたo(^-^)o
セラフィト様いいですね☆えらい砕けていらっしゃるのがまた…(*´艸`)口説き落とされてお仕事増えませようお祈りしております☆
そしてひなたさん(*^▽^*)リーシャがディジーちゃんにメロメロなのも深くうなずけますo(^-^)o
Posted at 2009.08.08 (13:18) by マッチャ (URL) | [編集]
> 遊撃隊長さんのお仕事、こういうことをされているんですねぇ~。
> そりゃお忙しい訳だ…(^_^;)

はい、こんな仕事もしております。
特に緊急の急ぎをメインに取り扱っているので忙しいですねぇ。

> すごい臨場感があって興味深く読ませて頂きましたo(^-^)o
> セラフィト様いいですね☆えらい砕けていらっしゃるのがまた…(*´艸`)口説き落とされてお仕事増えませようお祈りしております☆
> そしてひなたさん(*^▽^*)リーシャがディジーちゃんにメロメロなのも深くうなずけますo(^-^)o

わはははは。
セラフィト様はもう諦めているかと思います。
ひなたさん、本当に無敵に素敵ですよね♪
Posted at 2009.08.08 (21:18) by たか1717 (URL) | [編集]
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