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Dark Age 11 出会い4

 朝になり、授業のため学校へと歩く。
 色々と取れる教科を詰め込んだ為、他のクラスメイトが授業がない時間帯も講義を受けていた。

 昨晩の事を考えると、あいつはもう話かけて来ないだろう。
 ホッとする反面やはり嫌な気持ちが抜けないのは、あんな終わりかただと思う。

 自分のサイキックが原因で人間関係が壊れるのは、これが初めてじゃない。
 だが自分でコントロール出来ない分、嫌な思いはつのる。
 ここまで自分の能力がコントロール出来ないのは、いくつかの転生の中でも記憶が無い。
 大体物心が付いたくらいから、徐々に制御出来る様になっていた。

 学校に着いて顔見知りと挨拶を交しながら、まずはロッカールームに行き、必要なものを取り出す。
 溜め息と共にロッカーの扉を閉めて鍵をかける。

「何悩ましげに、溜め息ついてんの?」

 いきなり声をかけられて驚いた。
 あいつがロッカーにもたれてこちらを見ていた。
 思わずマジマジと見てしまった。

「何見惚れてるの?俺ってそんなに良い男?」
「馬鹿?」

 思わず間髪入れずに突っ込んだ。
 慌てて焦ってみたら、奴は軽く微笑んでいた。
 無理しているようには見えない。

「相変わらずキツイな~、エルスは」
「悪いか」
「いや、それっくらいで良いと思うぜ」

 にこやかに何処か嬉しそうに言った。
 何を言って良いか分からず、歩き出す。
 奴はそれについて来た。

「なあなあ、今日のお昼暇なら一緒に食べない?」

 今までと変わらない口調で、今までと変わらない様子でしゃべる。

「お前、昨日の今日で良く平気だな」

 思わずそう言ってしまう。
 すると奴は目を見開いた。
 訳が分からないと言った風情だった。

「普通はあんなことがあったら避けるだろ」

 そう言うと、ああ、と返事をした。
 俺は奴の顔が見れずに、前だけを見てた。
 だから奴がどんな顔しているかわからなかった。

「俺があれくらいの事でエルスの事、嫌いになる訳がないだろ。
 元々悪ふざけしたのは俺の方だし。
 それにそんなことしたら、エルスが泣くでしょ?」
「だれが泣くか。せいせいする」

 条件反射的に言ったら奴は笑った。

「うん、そう口で言いながら、平気なふりして、内面すごい傷ついて泣くでしょ。
 俺はそういうの嫌だしね。
 それに一人くらい、俺の事情を知っている奴がいてくれた方が、良いかなってのもあるんだ。
 それがエルスなら、絶対言いふらしたりしないだろ?」

 優しい口調でそう言われて、黙る。
 確かにそうだけど。

「だからそれを盾にどうこうって気持ちもないし。
 同情して欲しい訳でもないんだ。
 知ってもらって、ちょっと気が楽になったってのもあるんだ。
 後は今までどおりに話をしてくれたらOKなんだけど、どう?」

 言われて少し考える。

「……同情しないぞ」
「うん、して欲しい訳じゃないし」
「今までどおりでいいんだな?」
「そ、それでいいよ。俺も昨日のあれがあったからどうこうってことはしないから。
 それでいいでしょ?」
「口説かれても堕ちないぞ」
「それは嫌だなぁ…・・」

 最期の一言だけ情けなさそうに言われて、思わず噴き出す。

「あ、ようやく笑った」

 嬉しそうに言われて、ちょっと複雑な気分になる。

「……そうだっけ?」
「そうだよ、いつも俺と話す時は硬い表情でさ~。
 それでも今日はいつにもまして沈痛だったし」
「……生まれつきだ」

 思わず憮然として言う。

「そんな訳ないでしょ。
 で、今日の昼、学食で一緒に食べない?」

 いきなり話題を変えて、いつものように誘ってくる。

「何でお前と、嫌だね」

 あっさりといつもの口調で言う。

「そういうと思った。
 でも他の奴らは午後からの授業だろ?
 なら一人だと寂しいじゃん、迎えに行くから、待っていてよ」
「やだね」
「じゃあ、俺も授業だから、待っていろよ」

 そういうとアーサーは逆方向に走って行った。
 アイツは何処で授業何だ?

「嫌だって言ったろっ!」

 怒鳴り返すが、聞えているかどうか。
 思わずため息をつきながら、教室に向かう。

 ふと、気持ちが軽くなっているのに気付いた。

 何か不都合があっても、俺の制御不能な能力を知っても、離れていかない人がいる。
 それがなんか嬉しかった。

 何かあれば避けられて終わる。
 そんな人ばかり見てきた。

 もっとも相手がアイツなのはやっぱり問題かも。
 そう思いながら、教室の扉を開いた。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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