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紅緋古譚 34 投薬2

これだけ抜けていた。
本当は「9 投薬」の後。

+++++

 頭が痛い。
 ずきずきする。

 宿舎のベッドで頭を抱え込んで寝ていると、誰かがやってきた気がする。

「さ、これを飲みなさい。気分が良くなるよ」

 いつもの軍医だ。
 おれの担当医だと言いやがった。

 いやだ。
 そう言いたかった。

 お前の持ってくる薬は、気分が良くなるのは最初のウチだけだ。
 後ですごく気持ち悪くなる。
 だから飲みたくない。

 言いたかったけど、それは言葉にする事は出来なかった。
 痛みをこらえるのを必死で。

 カプセルを口に含ませられて、強引に水で流しこまれる。

 むせる。

 それで気が紛れて、痛みからそらされる。

「直ぐに効いてくるよ。ゆっくりお休み」

 優しげな口調でそう言う。
 でもそれが表向きなのは誰よりもわかっている。

 こいつは。

 こいつは私を実験動物だと思っているのだ。
 そして動物を愛でる目で、おれを見る。

 嫌いだ。

 でも。
 でも目を見ると何も言えなくなる、深い色に吸い込まれそうになる。
 だから苦手だ。

 徐々に痛みは引いて行った。


++++


 最初に薬を飲まされたのは戦場に出る前だった。

「運動能力が飛躍的に上がる薬があるよ。疲れにくくもなるよ。
 これを飲んでいくと良いよ」

 確かに疲れ難くて、動きが早くなったけど。

 でもその分、後で体が動かなくなった。
 頭が痛くなった。

 動けない間、こいつの部屋で器具に繋がれているから、変な奴らがよって来なくて助かったけど、それだけだ。

 どんどんひどくなる。

 飲みたくない、薬なんか。

 何が軍医だ。
 ただのマッドサイエンティストじゃないか。

 気持ち悪い。

 これじゃまだレコーダー(記録係)達の方がまだましだ。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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