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紅緋古譚 22 保護

 手を引かれて歩きながら、不思議に思う。

「おい、お前何時から基地に居たんだ?」
「ん~?3日前からかな?ルーちゃん出撃してたでしょ?
 こっちは明日朝早く出るから、今回ルーちゃんに合わない予定だったんだけどねぇ……」

 そう言われて更に不思議になる。
 なら何故来たのか、何故あそこに連れ込まれたのを知っていたのか。
 何故タイミングが良かったのか。

「おい?」

 それだけで俺が何を聞きたいのか、分かったようだった。

「俺にはね、ルーちゃんに関して特別な情報源があるんだよ。
 そっから今回の事を緊急連絡としてもらったの」

 振り返って笑いながら奴が言う。

「何だそれは?」
「くわしくは秘密。俺の大事な情報源だから」

 そう“狼<ウルフ>”が言うと、それ以上聞き出せないのは確かだった。

「とにかく、助かった。ありがとう」

 例えその情報源が何を考えてこいつに連絡取ったのか分からないが、こいつが無視せずに来てくれたことに礼を言っておく。

「ま、ちゃんとした『礼』は作戦から帰って来てから、貰うとして…。
 実際に俺も助かったよ。
 人数が欲しかったところで、探していたんだ。
 ちょうど良いメンツが見つかった。
 事が事だから、話は早くつきそうだし、あれだけ血の気があまっているなら、良い捨て駒になるだろうし。
 だからルーちゃんは安心して良いよ、奴らの半数は明日には居なくなるから」

 後半に凄みのあるセリフを吐いて、奴は笑った。
 その笑みを張り付けたまま、しばらく黙る。
 まるで通信をしているかのようだった。

「よし、大丈夫だ。
 でもルーちゃんは念のため、一晩俺の部屋にいなさいね」

 そう言って久しぶりに連れ込まれた奴の部屋の中は、携帯端末と外部入力装置、それに伴うディスクなどが散乱していた。

「じゃあ、俺は朝までにやらなきゃいけないことがあるから、奥の部屋も好きに使って」
「やらないのか?」
「だから、んな暇ないって。せっかくなのに勿体ないけど」

 そう言うと奴は制服の上着を脱ぎ捨てると、端末の元々居たところに座って、ヘッドセットをつけて、何かを再開した。

 すごい勢いでデータが処理されているようだった。
 どうしていいか分からず、困る。
 とりあえずやりたい事をする事にした。

「シャワールーム借りるぞ」
「どうぞ」

 そう言っておれは奥の部屋に入った。
 服を全部脱ぎすて、シャワールームに入る。
 体を洗いたくて仕方がなかったから、それでひとまずほっとする。

 戦場でのほこりや帰って来てから変態達に触られたところを洗いながす。
 こうやってシャワーを浴びている時が、一番好きだった。

 一通りゆったりと過ごし、体を乾燥させる。
 そしてそこから出て、困る。
 脱いだ、汚れた服をまた着る気にもなれず、辺りを見回す。

 扉を片っ端から開けてみたら、奴の服があった。
 その内のTシャツを借りて着てみた。
 やはりおれには大きくて、裾が膝上のところに来るし、半そでが肘まで来る。
 まあ、一通り隠れるので、これで妥協する。

 脱いだ服をランドリーに放り込み、スイッチを入れる。
 これで朝になったら、綺麗になっているはずだ。
 どっかにスリッパが無かったか、見渡すがどうもない。
 余分に置いてある訳ないか。
 おれの部屋もそうだしな。

 仕方ないので裸足のまま、居間に行く。
 相変わらず奴は端末の前から動かず、視線も外さなかった。

「ランドリーと服も借りたぞ」
「おう……」

 言うとそれだけのおざなりな返事か帰ってくる。
 どうやらかなり集中しているらしい。
 それでも返事が返ってくるあたり、条件反射なのかもしれない。
 仕方ないので、そのままキッチンに向い、冷蔵庫を開けてみる。
 酒以外何も入っていない。
 その内の炭酸アルコール飲料の缶を持って開ける。

「おい、人の酒を勝手に飲むな」

 缶を開ける音を聞きつけて、クレームが来る。

「部屋の中を好きに使っていいと言わなかったか?」

 キッチンから出て、そう言う。
 すると奴は変な顔をした。

「何?」

 酒を飲みながら、尋ねる。

「ルーちゃん、その格好、何?」
「?なんか変か?さすがに下着を借りるわけにいかないし、履くもの合わなさそうだったから、やめたんだが。
 あ、これ、使ってまずかったか?」

 服を引っ張って聞いたら、更に溜息をつかれる。

「いや、そうじゃないんだが。下着つけてないよな?」
「まあな、シャワー浴びてそのまま着たくないし、今洗っている。ランドリー借りてるぞ?」

 そう言うと奴はぼそりと「凶悪」と言った。
 訳が分からず首をかしげる。

「ルーちゃん、その格好、他の男の前では絶対するなよ?」

 言われて更に訳が分からず眉根を寄せる。

「ああ、もう、今日はやる気無かったんだけどなぁ。明日もあるし、データも読みこみ終わって無いし……」

 そう言って奴はヘッドセットをむしり取ると、髪の毛を掻きむしった。

「ああ、でも一回くらい時間はとれるか……。よし、そうしよう」

 何かぼそぼそと言っていたと思ったら、何かふっ切ったかのように、立ちあがってこちらに来た。

 訳が分からずそれを酒を飲みながら見る。
 と、いきなり缶を取り上げられる。

「おい?」

 半分しか飲んでないので、思わず抗議の声を上げると同時に口づけをされる。
 いきなりの展開に、一瞬固まる。
 セクシャルな煽るようなキス。
 同時にTシャツ越しに感じるところを的確に触られる。
 足に触れた手が、ゆっくりと上がって、裾から入り込んで、更に煽る。

「やらないんじゃなかったのか?」

 長いキスの後にそう尋ねる。

「そんな格好して煽ったルージュが悪い。まあ、礼の分割払いの一回目だと思え」
「何だそれは?」
 
 聞くと間近でまたため息をつかれる。

「ルージュはもうちょっと、男心に敏感になる必要があるねぇ」

 そう言われて、ベッドルームに連れ込まれた。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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