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紅緋古譚 21 待ち伏せ

 戦場から帰って来て、宿舎へ戻る途中だった。
 目の前に5人の男。

「お帰り、ルージュちゃん。待っていたよ」

 そう、ニヤついて言われる。

 うざいな。
 疲れているから、すぐに寝たいのに。
 思いっきり不機嫌になる。

 これじゃ仲間たちと飲みに出かけた方がましだったか。
 そう思い始めた時、前と後ろでばらばらとまた増えた。

 どうやら待ち伏せだったらしい。
 十数人。
 女一人襲うのに、そこまで集まらないとダメなのか、こいつらは。
 といううんざりした気持ちだった。

「疲れているだろうけど、俺達につき合ってくれよ」
「俺達、ちょっと溜まっているんだ。少しくらい良いだろう?」

 疑問形だが、完全に襲う気でよく言う。

「戦場帰りで疲れているんだがな」
「だからこそ、だろ?」
「どうせ興奮して、眠れないだろ」

 へへへ、と下品な笑い声があちこちから聞こえる。

 厄介だな。
 一気に来られるとちょっと面倒だな。
 もちろん一人残らず倒す気でいた。

「ふん、集団でしか来れない下衆どもを、相手をする暇はないな」

 そう言ってやるが、じわじわと輪を狭められていて、焦る。
 戦場では何人いようと、問題ないが、今は基地の中だった。
 戦場で使う剣は、基本戻ってきたら返すことになっていた。
 そうでないともっと血みどろな事件が起きるからだ。
 だから手元にあるのは護身用の短剣のみ。

「そうやって強がっていられるのも、今のウチだぜ」

 正面の奴がそう言って顎をしゃくる。

 数人が一気に詰めてきた。

「イテッ!」
「斬られたっ!」

 何人かまではなんとか撃退するが、一気に両手を取られ、剣を持った腕を固定されたら、あっという間に捕まった。

「おい、ロープ」
「いやガムテープだろ」

 地面にうつ伏せに組み伏せられ、腕を固定される。

「放せっ!」
「そうだな、移動したらな」

 そう言われ、腕を固定して囲まれたまま移動させられる。

 着いた先は倉庫の一つだった。
 そこで中に入れられる。

 まだ、足は固定されてない。
 ならば蹴り技である程度までは、対応出来るか。

「ひでーな、ルージュちゃん、@@と****を怪我させるなんて。明後日出撃なのに」
「ふん、その前にばらされて終わりだな」

 そう言ってやる。
 使いものにならなければ、あっという間に解剖室行きだ。
 よくて生体実験室だ。

「そんな生意気な口をきけないくらいにしてやるよ」
「這いつくばって、許しを請う声が聞きどころだな」
「それより良くなって、求めまくったりしてな」

 下品な笑い声が響く。
 くそ、ここしばらく奴のモノだと言われていた為に、平和だったんだけどな。
 ここにいるメンバーはそれを知らないのか、聞いてないのか、知っていて手を出そうとしているのか、どれだろう。

 前者だったらまだどうにか抜け道があるが、後者だったら厄介だな。
 どうするべきかな。

「さて、俺から行くかな」

 そうリーダー格な奴が言う。
 じりじり来るのを間合いを測る。
 両腕を縛られている、と言うことで油断しているから、急所を潰せば、逃げれるかどうかだな。

 その時、倉庫の扉が開く音がした。
 鍵はかけていたはずが、あっけなく解錠されたようだ。

「何だ、てめぇ!」

 そう、扉の方の近くの奴が言う。
 入ってきた奴はそれを無視した。

「ルーちゃん、浮気したら許さない、って言わなかったっけ?」

 状況を無視したのんびりした口調にムカツク。

「この状況を見て、何処が浮気なんだ?てめぇの目は節穴かっ?!」

 思わず怒鳴り返す。
 “狼<ウルフ>”と呼ばれる奴に。
 珍しく制服を着ていた。

 そうか、こいつも結局元からの制服組か。
 今まで見たこと無かったから、どちらか判断しかねていたが。

「てめぇには関係ないだろっ!」

 リーダー格の奴が、そう脅す。
 それを見て、何も知らないバカの方だったか、と判断する。

「ふうん、俺の女だと知らずに手を出した馬鹿な口か。今すぐ引くなら見逃すけど?」

 冷ややかにそいつが言う。
 言いながら歩みは止めず、男たちの間を抜け、おれに近づいてきた。

 リーダー格以外は「制服組」という点で、ひるんでいた。
 ウルフはその一人ひとりの顔をしっかり頭に叩き込んでいるようだった。

「ふん、制服組だと思って、見下しやがって。ここでおめえに何ができると言うんだ?」
「色々出来るよ?例えば今夜から****地区への戦場へ送るとか」

 地区名を聞いて、動揺が走る。
 それを見て、ウルフは一端目を閉じた。
 そして再び開くと不敵な笑みを浮かべる。

「そちらの司令官の許可は出た。君のチームは今夜直ぐに出発してもらおうか。遅れたら命取りだよ?」

 言った途端にタグに取りつけた、呼び出しがそいつと他からも鳴る。
 緊急コール音だ。
 これが鳴ったら余程の事がないと、至急集まることになる。
 もちろん一定時間から遅れたらペナルティだ。

 真っ赤になって、そいつはウルフを睨見つける。
 そうやって睨むことで殺せるなら、殺してやりたい、という表情だ。
 しかしそのコールを無視することは出来なかったようだ。
 倉庫から何名か走り出す。

「さて、他のメンバーはどうする?」

 凄みを利かせてそう問う。
 さすがに誰も何も言わなかった。

 その間に俺の側に来て、縛られている腕を見て、眉をひそめた。
 そしてその戒めを解く。

「じゃあ、返してもらうよ?」

 にっこり笑ってそう言うと、俺の腕を引いて、そこから出た。

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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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