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紅緋古譚 16 戦場

 作戦前日の野営で、最終打ち合わせをした。

「で、こうなるから、ここから出てきた奴らを全員足止めも兼ねて残らずやってほしい訳。半分は見せしめになるように」

 今回はこいつのチームの作戦の助っ人をする事になっていた。
 別の出口から逃げる奴を徹底的に処分する、と言う助太刀だ。

 普段は飄々として、何を気に入ったのか、おれに構ってくるのだが、こうやって戦場で見ると、スゴ腕の工作員兼戦士だと分かる。
 昨日の戦いもすごかった。
 たぶん、司令官としての腕もすごいのだろう。
 今のところ、こいつを上にして戦ったことは無かったのだが。

「つまり、出てくる奴を片っ端からやっていいんだな?」

 確認のためにそう聞く。

「そうゆうことです」

 おれが聞くとにっこり笑って肯定した。

「老若男女関係なく、軍服を着てないのは敵だから、思いっきり屠ってやってください」
「ふふふふふふ」

 思わず笑みがこぼれる。

「ここしばらく思いっきり殺りまくるの御無沙汰だったからなぁ。
 ふふふ。
 すごい楽しみだ」

 殺りまくって、辺りが一面の赤になる様を思い描いて、思わずうっとりする。
 血の海に沈む、たくさんの人たち。
 あの素敵な光景を作れるのだ。
 思わず笑いたくなってしまう。

「御無沙汰、って今日もかなり活躍しただろ」

 チームの奴がそう横槍を入れる。

「あんなもの、思いっきりのウチに入るか。たかが小隊1個なぞ、お前達と一緒なら全然足らない」

 そうだ、今日の数など全然足らない。
 もっと思いっきりやりたいのに。

「うーん、その微笑みが見えれたのは嬉しいけどねぇ、ルーちゃん。
 そーゆーことに関して嫣然と微笑まれてもねぇ、なかなかビミョーな気分だなぁ。
 どうせなら普段もっと笑ってくれたらうれしいんだけどなあ」
「お前は黙っていろ」

 思わずムッとして、そのスゴ腕工作員に言う。
 今回こいつと一緒に行動する羽目になったのは、こいつがおれ達のチームを援護に呼んだからだった。
 じゃなきゃ、本当は一緒にあまり行動したくない。
 基地ではやたらおれに構うので、お陰で変な噂が立っているようだった。

「うーん、明日別行動になるのが、もったいないような、嬉しいような……」
「おれは嬉しいな。お前の顔を見なくてすむからな」

 そう言ってやる、と傷ついた顔をする。
 でもこれが演技なのか本気なのかは読めない奴だった。
 常にこいつは何が本当なのか分からない感じが何処かする。

「そんな寂しい事を言うなよ。じゃあ、今晩はルーちゃんをしっかり見ておこう」
「馬鹿か?」

 そう言って会話を打ち切ってやる。
 おれは仮眠の時間だった。
 ごろりと横になって、火に背を向ける。
 数時間後には交代だ。

「……モノ好きだな、お前」
「えええ~?とっても可愛いじゃん、彼女」

 背後でそんな声が聞こえた。
 思わず悪寒と青筋が立ちそうになる。
 何が可愛いんだ、ボケが。

 こいつにとっては女はみんな「かわいい」なのを知っているので、余計にムカついた。

 取りあえずおれは無理やり眠りに就いた。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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