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紅緋古譚 10 出撃

 戦場に出ると何時もワクワクした。
 高揚して、舌なめずりをする。
 体がうずうずとして、止まらなくなる。

「良いんだな?奴らを思いっきりやっていいんだよな?」

 待ち切れず、チームに問う。

「構わない、お前のやりたいようにやれ」

 そう言われる。

「ふふふふふ…」

 思わず笑いがこぼれる。

 はやく、早く来い。

 そう思う。

 見えた、敵の姿だ。

 思わずそちらに向かって走り出す。

「おいっ!ルージェっ!!」

 背後で誰かがそう呼んだ。
 でもそれだけだ。

 目の前に敵、問答無用で斬っていい奴らだ。
 相手が動揺するのが分かる。

「女っ!?」

 言ったそいつを斬る。
 真っ赤な体液が勢いよく飛び出す。
 それを見てうっとりする。

 こちらに斬りかかってくる奴らを、避ける。
 遅い。
 その合間をかいくぐって、次々と斬り倒す。
 綺麗に赤く染まっていく。

 赤。

 一番きれいな色。

 それがもっと見くて、次へ襲いかかる。

 と、阻止される。

 ちょっとは使える奴がいるみたいだった。
 でも遅い。
 どんなにプロテクターで固めようとも、隙間はある。

 そこにナイフを叩きこみ、繋いだひもを引く。
 勢いよく吹き出るそれが気持ちいい。

「あははははは……」

 愉しくて、楽しくて、思わず笑い出す。
 こっちに来るやつらを、次々に剣に掛ける。
 きれいな色が噴き出す。

「ルー、気をつけろ」

 背後で言われた。
 オーカーだ。

 奴はいつも私の後を追ってくる。

「ちゃんと倒さないと、背後を狙われるぞ」

 そう言って、血まみれの敵を的確に屠る。

「ふふふ、そしたらお前の仕事がなくなるだろ」

 それだけ言って、かえりみずに次の一団へと突っ込む。
 慌てて倒れるもの、逃げ出すモノ、向かってくるもの。  
 それらが楽しくて仕方がない。

 全員おれの刃にかかって真っ赤になる様が見たい。

 気付いたら、その辺りは真っ赤になって、敵が居なかった。
 遠くで逃げていくのが見える。

 ムカツク。
 追いかけようとして肩を掴まれる。

「引くぞ、ルージェ」
「勝手に引け!おれはあいつらを追いかける」

 そう言って一端は振り払う。

「ルー!!」

 オーカーは珍しく強気で呼んで、腕をつかむ。
 おれを不機嫌にするそいつに腹が立つ。
 つかんだその手を斬ろうとして、先に腹部に痛みを感じた。

 暗転。



 気付いたら何処か暗い所で寝ていた。
 隣に温かい固まり。

 ここは何処だ?
 私はどうなった?

 恐怖でパニクリそうになる。

「目が覚めたか?」

 暗闇の中、オーカーの声がする。

「おれ…・?」
「命令違反で戦場から引こうとしないから、気絶させて戻ってきた。
 そうしたらそんなお前を見て、ほかのチームがチャンスだと色めきだったので、俺の部屋に引き取ってきた。
 もう夜だ、寝ろ」

 そう言われる。
 暗闇に目が慣れてくる。
 オーカーと同じベッドに寝ていた。
 温かい固まり、それは奴だった。

「お前、おれに……」

 ざーっと、虫唾が走る。
 手元に何もない、何時ものナイフは何処だ?
 思わず目を周囲に走らせる。

「誰が手を出すか。お前みたいなガキ」
「ガキじゃねぇっ!」
「ガキだろ。ほそっこい、快感を知らない奴は。
 それにもっと熟女の方がおれは好みだ。
 どちらにしてもチームの奴には手をださねぇ。
 それが俺の信条だ。
 とにかく寝ろ、明日も戦場(仕事)だ」

 そいうと奴は向こう側を向いて、寝てしまった。
 その様子を見るとこちらも警戒するのがばからしくなった。

 気付いたらやたら大きなシャツを着ていた。
 血まみれのバトルスーツは脱がされていたらしい。
 確認したが、確かに手を出された形跡はなかった。
 こんな恰好で出歩くのも癪だ。

 そのまま横になる。
 変な気分だった。

 そもそも男でおれに何もせずにいられる奴らの方が、今まで殆ど居なかった。
 だから余計に気になる。

 こいつとはおれがこのチームに入ってからの縁だった。
 こいつとチームの奴らがどんな奴らなのか、おれはまだ知らない。
 何せこの戦闘の二日前に顔を合わせたのだから。

 でも何もされないのは助かる、のだけど。

 そしてそのまま寝てしまったようだ。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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