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紅緋古譚 9 投薬

 おかしいな、と思った途端、目が回り、頭が回った。
 あまりの気持ち悪さに嘔吐する。

 そのまま立っていられなくなり、倒れる。
 頭が痛い。

 周りで何か、誰かがしゃべっているようだが、聞えなかった。
 そのまま何処かに運ばれたのは分かった。
 多分医者のところだ。

 そこで胃の洗浄をされ、どうやら中和剤を打たれたようだ。

 新しい薬が体質に合わなかったとか、飲み合わせが悪かったとか、そんな事を誰かが言っていたのは何故か聞えた。

 頭痛は治まらなかったが、気持ち悪さはマシになってくる。
 気付いたら仰向けにベッドに寝かされていた。
 腕にはチューブが取り付けられ、何かを点滴されていた。

 そしてあちこちに測定器を取り付けられ、データを取られているのが分かる。

 しかし目を開けると、まだ辛かった。
 視界が回り、頭痛がひどくなる。

 周りはカーテンが引かれていて、その向こうに誰かがいるようだった。
 どちらにしても一人で放って置いて貰えるのが有難かった。

 隣で何かの機械が電子音を立てていた。
 そのまま目を閉じて頭の痛みに耐える。

 くそ、一体何を飲ませやがったんだ、あいつら。

 おれらの仲間で薬を飲まされていない奴らは殆ど居なかった。
 今回のように、倒れたり、ラリったりおかしくなる奴は珍しくない。
 下手したら発狂して死ぬ奴もいるくらいだ。

 だからおれはかなりましな方なのだと思う。

 そう思っているとカーテンが開いて、医者が入ってきた。
 後ろに何人も引き連れている。

「どうだい?気分は良くなったかい?」

 どこか嬉しそうに、そう尋ねてくる。
 変態め。
 おれの様子が嬉しいみたいだった。

 それを感じて、更に頭痛がひどくなる。
 すると医者はそれが分かったのか、何かを指示した。
 看護師とも助手とも思しき奴が、何かを慌てて準備し、注射器を持ってこちらに来る。

 また薬か。
 煩い、来るな!

 そう思って腕をつかもうとするのを払いのけようとした。
 体はピクリとも動かなかった。

 が、パシッと音がして、そいつの持った注射器が、落ちた。
 いや、おれが払い落したのだ。

 それが何故か判った。

 注射器を持ったそいつは一瞬呆然とした。
 何が起こったのか、分からなかったのだろう。

「何をやっている!」

 医者がそいつに怒ったのが分かる。
 そして他の奴に改めて準備をするように指示をした。

 注射器を落としたそいつが何か弁明しようとした。
 その間にも他の奴が改めて注射器を用意しているのが分かる。
 薄目を開けると、もう一人の奴がこちらにこようとした。

 だから、嫌だと言っている。
 
 そう思った。

 ガシャン!

 とすごい音がして、ワゴンが横倒しになる。
 乗せてあった薬剤の入った瓶が粉々になる。
 そこに居合わせた医者と助手たちの動きが止まる。

 隣の計器が異常な音を立てて何かを示していた。

 おれはゆっくりと上半身を起こした。
 幾つかの計器が体から外れる。

「来るな、お前ら」

 それだけ言うと、思いっきり周りを押しやった。

 ばんっ

 そんな音がした。
 周りの色々なものが倒れた。

 それがある意味、爽快だった。
 ただし頭痛は余計に酷くなった。

 くそ、面倒だ。

 すると他の白衣を着た奴らがこちらに来ようとするのを、壁を作って阻止する。

 何故かそれが出来た。

 医者はひきつったような笑を張り付けて、床の上に崩れ落ちて座っていた。

「せ、成功だ…」

 そんな事を言うそういつをこのやり方で、どうにかしてやろうと思った。

「鎮静剤を!睡眠薬多めに入れて!」

 何処かでそんな声が聞こえた。
 思わず周りを睨む。

 いきなり上から何かを噴霧され、白い霧に包まれた。
 思わず吸い込み、むせる。
 集中が外れる。

 その間に抑えつけられ、何かを腕に注射された。
 そのまま意識が暗闇に引きずり込まれた。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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