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水晶薔薇庭園館綺譚32 顔出し(2月下旬)

 シェーンに緩衝地帯に残ってもらうように頼んで、一人統括エリアに向かった。
 かなり久しぶりにこちらに来る。
 統合前に一度顔を出して以来だから、下の時間で丸3週間は来ていないことになる。
 まだちゃんとした外出許可は出ていないが、天使エリアはステーションのほかの地域より、波動が高くなるため、少しくらいなら大丈夫だと思う。

 統括エリアに入ると、相変わらず活気があった。
 技術部が少しざわりと騒がしくなったような気もするが、それは無視して遊撃隊のいる一角に向かう。

「セーラム、言われた通り顔を出しに来たよ」

 そう言ってにっこり笑う。

「連絡してください、と言いませんでしたっけ」

 少し困ったようにセーラムが言う。

「どうですか?調子は?」
「あまりまだ良くないな。当分仕事をするのは難しいと思う。ごめんね」

 実際にこちらに来てから、体が少し重い。
 統合でエネルギー不足に陥ったのが、ここまで影響している。

「フィンっ?!」

 いきなり声が聞こえた。
 そちらを振り返るとテスがいた。
 いきなり抱きついてくる。

「わ~。本当にフィンだ~。久しぶりだなぁ、この感じ」
「テスも元気そうでなにより」

 そういてハグし返す。
 するとエルリック、セドリック、ユーリグがあっけに取られて、こちらを見ているのが視界に入った。
 思わずそちらにも微笑み返す。
 すると更に彼らが硬直した。
 何だっけ?

「うん、本当の本当にフィンだね。どーする?あの人も会いたがると思うけど」
「それはちょっと勘弁して。まだ本調子じゃないから。それに今どこか行く途中じゃないの?」

 書類を持っているのを見咎めて、笑って突っ込む。

「あ……、そうだ、行ってこないと。急いで片付けるから、待っていてよ、フィン」
「それは保障できないな」
「とにかく行って来るっ」

 そう言うとテスは急いで部屋を出て行った。

「とりあえず、座ったらどうですか?」
「ありがとう、そうさせてもらうよ」

 そう言って机の椅子に座り込む。
 助かった。
 やはり立ちっぱなしだと疲れる。
 机は綺麗に片付いていた。
 仕事がたまらないようにセーラムとトール師、それに最近ではデュエル・デセルさんがこちらの仕事を手伝ってくれているという。

 セーラムがいくつか書類を持ってきた。

「多少変わった点がありますので、ちょっとそのことを説明しておきますね」

 そう言って書類を示しながら、説明してくれる。
 それを聞きながら、いくつか不明点を指摘する。
 どうやらそのあたりがはっきりしてなかったらしく、調べて煮詰める、ということになった。
 そちらは分かり次第、メールでの連絡をくれる話にした。

「今日ってザイオンとフィリアは非番だっけ?シリルが外に出ている?」

 先ほどから見えない3人を確認する。

「ザイオンとシリルが非番ですね。フィリアが今修繕に出てます」
「そう、じゃあ、よろしく言っておいて」
「帰ります?」
「うん、そうだね。本当はツインの職場を見ておきたかったんだけど、ちょっとこの調子だと危ないな」

 そう言って笑うとセーラムが心配そうな顔になる。

「送りますか?」
「一応緩衝地帯に守護龍を残して来ているから、大丈夫だよ。それよりさっきから3人が固まってこちらを凝視しているんだけど……」

 思わず先ほどから気になっていることを聞く。
 ぷっと思わず、セーラムが噴き出した。

「それはもう、今までと全然雰囲気が変わってしまったから、あの3人には青天の霹靂でしょう。固まりもしますよ」
「セーラムは平気なのにねぇ」
「それは付き合いが長いからですよ。この間リリアナが来た時も後で説明した時にびっくりしてましたから」

 笑いながらそう言われ、思い返す。
 確かにあの時はエル・フィンが倒れていたし、必要以上にいると混乱するかと思って、最小限にとどめたつもりだった。
 でも確かに何も言わずにあれでは周りはびっくりしたと思う。
 遊撃隊のみんなには言っておいた方が良かったのかも。

「ああ、あの時はごめんなさい。そういえば周りは放置してしまったね。急いでいたし」
「本当に分離していて、今は統合しているんですねぇ」

 思わず詫びるが、その様子も感心したように言われる。

「とにかく、今はゆっくり休んでください。
 そして時々こうやって顔を出してもらえたら嬉しいです。辞める、は無しですよ」
「分かってます。下でも上司に言われてますから。じゃあ、後はよろしくね」

 そう言って席を立った。
 本当なら統括の部屋に行って、マジェンダにも挨拶したかったのだが、これ以上は無理そうだった。


 帰りの廊下の途中で思わず壁に手をついて立ち止まる。
 思ったより体力がないし、消耗が激しい。
 ここまでとは想定外だった。

「エル・フィン?!」

 いきなり声がしてそちらを向くと、セラフィト様がいらっしゃった。

「セラフィト様、お久しぶりです」

 そう微笑んで答えるとセラフィト様は一瞬面食らった様子だった。

「フィン、か……」
「はい。ちょうど良かったです」

 そう言ってにっこり笑う。

「大丈夫、そうじゃないな?」
「ええ、ちょっとさすがに辛いので、手を貸していただきたいんですが」
「そんな状態で何処に行く気だ?」
「職場に顔出しに行ってきてたんですよ。今は帰りです」

 言うとセラフィト様は手を貸してくださった。
 そのまま手をひかれて歩く。
 少しくすぐったいような不思議な気持ちだ。
 こんな風に手をひかれて歩くなど、一体どれくらい振りだろう。 

「なんならブルーヤロウまで送ろうか?」

 歩きながら、そう言われる。
 しかしその提案に笑って断る。

「大丈夫です、緩衝地帯にシェーンが居ますから」
「あの守護龍なら、ここに入ってこれただろう?」
「ええ、でも大丈夫だと思ったんですが」

 そう答えるとため息をつかれた。

「そのあたりは変わってないんだな」
「見込みが甘いことですか?仕方ないです、今ほとんどブルーヤロウに居ますし、そうするとステーションではどうかなど、予測付きませんから」

 そう言ってくすくす笑うと、横目で仕方ないな、という風に見られる。

 どうにか緩衝地帯から見える場所に着くと、シェーンがそこで待っていた。
 そしてこちらを見た途端、顔色が変わる。

「シェーン」
「この、馬鹿っ!辛くなったら呼べと言っただろう!!」

 いきなり怒られ、駆け寄られ、すぐにシェーンに抱き抱えられる。
 それにほっとして、首にすがりつく。
 実際に体力の限界だった。
 
「ったく、守護龍くらいには甘えろ。じゃあ、また今度元気になったら飲みに行こうな」

 その様子を見て、セラフィト様にそう言われて頭をなでられる。

「はい、ありがとうございました」

 そう言って笑って見せる。

「すみません、お手数おかけしました」

 シェーンもそう言ってお礼を言う。

「良いって。早く連れて帰りな」
「ありがとうございます」

 そうシェーンが言うのを聞いて、一緒に頭を下げる。
 すぐにシェーンが踵を返した。

「かなり辛そうだな。着くまで寝ててかまないぞ」
「うん、そうさせてもらう」

 そう言って目を閉じた。

++++++++++

そうして抱えられて帰ったために、ティーラさんには泣かれたのでした~ orz
勘弁してくれ、フィン……。
どーせ落ち着いたら、ラブ×∞してましたけどねぇ~。

ちなみにフツーに片腕で抱きかかえられただけです、ええ。
彼にまで「お姫様抱っこ」されたら、悶絶して死にます、本体。

……いや、もっと体力ない療養中に、中性体~女性体だったとはいえ、デセルさんにお姫様抱っこされて、どっかに移動した、つー話を聞いたのでつ。

フィンはまるっきり平気だったらしいのですが、
いや、奴は全然そーゆーの気にかけない奴なので、
「わ~い♪ ありがとう♪」
位の気持ちですが。

本体が持ちません。
ダメなんです、お姫様抱っこ
するのもされるのもの!!

以前ティーラさんが意識不明の時にルキア→ブルーヤロウに移動した時はともかく。
ティーラさんが目覚めて、異常に過保護して歩かせずに、移動が全部お姫様抱っこしていた時など本体は

「いや~~っ、エル・フィンっ!!お願い~~~っ!!辞めて~~~~~~っっっ!!」

と悶絶モノでした。
特に私の妄想で無く、ティーラさんの本体にハッキリ裏付けされた時は死にました。

うん、あれは恥ずかしかったなぁ……(遠い目

※登場人物などに関しましては「登場人物紹介」をご参照願います 。
また足らなくなってますけど~。
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Comments

お姫様抱っこ。
するのも、されるのもe-415
見るのもええで~i-278

・・・って、言ってます←誰が?

本体は、されてる時は、そりゃ「やめて~っ!」ですが。
している分には、まだ、ましwww

それにしても、フィンすっかり可愛くなっちゃって~e-266
Posted at 2010.03.10 (00:00) by wakka00 (URL) | [編集]
お姫様抱っこは憧れですが(笑)
皆様の固まりっぷりがサイコーですね
テスさんの懐きっぷりも可愛いです
BYにパパさんとテスさんお見舞いにきた事ないのですか?行けばいいのに?
お大事にして下さいね~
Posted at 2010.03.10 (01:39) by ネコ長 (URL) | [編集]
> お姫様抱っこ。
> するのも、されるのもe-415
> 見るのもええで~i-278
>
> ・・・って、言ってます←誰が?

いや、何か地球過去世にトラウマがあるらしい。
で、誰が言っているの??

> 本体は、されてる時は、そりゃ「やめて~っ!」ですが。
> している分には、まだ、ましwww
>
> それにしても、フィンすっかり可愛くなっちゃって~e-266

いや、している方も過保護ぶりが恥ずかしくて悶絶でした。
フィン……、やっぱり可愛いよねぇ。
上につながると現在こういうのしか来ないねぇ……。
Posted at 2010.03.10 (22:10) by たか1717 (URL) | [編集]
> お姫様抱っこは憧れですが(笑)
> 皆様の固まりっぷりがサイコーですね
> テスさんの懐きっぷりも可愛いです
> BYにパパさんとテスさんお見舞いにきた事ないのですか?行けばいいのに?
> お大事にして下さいね~

憧れ……。
私にとっては一種恐怖ですが……。←トラウマ?

固まりっぷりが良いでしょ~♪
テスも何か変ったかもです、良く分からないけど。
お見舞い、来たのかなぁ?感知してません。
パパは来てないな 苦笑
でもあの人はきっと状況把握しているから、良いんじゃないのかね。
Posted at 2010.03.10 (22:13) by たか1717 (URL) | [編集]
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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