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ただの物語65 プレゼント

いい加減ネタが尽きた 苦笑
とか言って油断してるとまた強制DLされたりするんだよねぇ……。

 これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね? 

******

 人込みを避けてふいにわき道に入った。
 このあたりに実際に足を踏み入れたのは初めてだが、地図は読み込んでおり、迷う心配はない。
 そのまま基地の方へ向って歩く。
 久しぶりに休みだったが、神殿行事と重なったため、ティーラとは会えない。
 そのことに何となく不快になりつつも、自分の気持ちの整理のために有難くもあった。
 いい加減に決めないといけないことを決めかねている。

 一つは戦局の悪化。
 もともと戦局は激しくなったり、そうでなくなったりの繰り返しだった。
 でも最近の悪化の仕方は心配だった。
 この分だと下手したらもっと市街地に方にも被害が出るかもしれない、という話だった。
 もう少し戦局が落ち着いてからの方が良いだろうか、という心配だった。

 もう一つはなかなか決まらなかった。
 その為に良い評判の店にまで足を伸ばしたが、これというものが見つからず結局無駄足を踏んだ。
 これだったら外苑に市が立つ日に捜しに行った方が良かったかと思う。
 しかし神殿の外苑の市では、ティーラにばれてしまう可能性があった。
 それは避けたい。
 出来たら驚かせたいのだが。

 その時ふいに何かが引っ掛かり、足をとめた。

 何が引っ掛かったのか分からず、思わず周りを見渡す。
 通常の市街地の日常の風景がそこにはあった。
 なにも不審な物は見当たらない。
 当たり前だ。
 昼下がりの中央の市街地に何かあることは滅多にない。

 そして足をとめたすぐ脇が店になっているのに気付いた。
 店、というより何かの工房らしかった。
 控えめだが一応看板みたいなものも出ていた。
 大通りから少し入ったところに、こういう店があるとは思わなかった。
 
 ウインドウにサンプルと思しき商品がいくつか並んでいる。
 そしてその中の一つが目の隅に引っかかったのだと気付いた。

 ティーラの瞳の色よりかは、若干暗い色の石が填まったアクセサリー。
 ネックレスか何かだろうか。
 よく見ると暗い、と思ったのは光が届かない陰にあるため、そういう色に見えるようだった。

 ウインドウから奥を見ると職人と思しき人が一生懸命に何かを作っているようだった。
 気になってそこの店の扉を開く。
 ドアのベルがカランカランと鳴る。

「いらっしゃい」

 奥で作業している人が無愛想に言葉を発した。
 しかしその目は作っている最中の作品に注がれており、手は休めない。
 ちょうど山場なのだろう。

 もっともこの店自体が「店」というほど大きいものではない。
 工房のほんの一角を店のようにケースや台を置き、飾っているだけだった。
 人が3人も入ればいっぱいになってしまう。
 その狭い店内をぐるりと見渡すと、他にもいくつか作品が並んでいる。
 優美でいて繊細、だがすっきりとしたデザインが多く、なんとなく気に入った。

 しかし先ほどのアクセサリーが気になりそちらに行く。
 窓と同じ高さに調整され、簡単に布をかけただけの台にそれは置いてあった。
 外から見た限り陰となって見えにくかったそれは、やはり綺麗な紫色の石だった。
 思わず手に取ろうして、気になって奥を見返す。
 職人はまだ作業に没頭していた。

「手に取ってみても大丈夫ですか?」

 念のために声をかける。

「ご自由に」

 それだけ帰ってくる。
 愛想のかけらもないが、なぜか好感が持てる声だった。

 紫の石が填まったそれを手に取る。
 明るい日差しの下で見ると余計にティーラの瞳の色と同じなのに気付いた。
 周りにいくつか飾っているパールの色も彼女の髪の色をほうふつさせた。

 だが、これはなんだろう。
 ネックレスにしては留め金が見当たらないし大きすぎる。
 しかも繊細なフレームを使うとも思えない。

「すいません、これはなんですか?」

 恥を忍んで店の人に聴く。

「サークレット、額飾りだよ。珍しいね、軍人さんが来るなんて」

 興味深々に言われる。
 作業がひと段落したのか、手を休めスコープを外してこちらを見ている。
 見た目は同い年くらいか。

「偶然通りがかりました。ひょっとしてこれは誰かのオーダーですか?」
「違うよ。窓辺に置いてあるのは全部一応売り物だよ。サンプルの役割も果たしているけどね。オーダーのはこっちに並んでいるほう」

 そう言って職人は自分のそばの机をさした。
 それをきいて安心する。
 オーダーとなったら同じ色の石があるかを確認しなくてはいけないところだった。
 
「それに嵌まっているその石は珍しいのでお勧めだよ。ある地方の原産だけどそこに行かない買えない代物で、中央までは流れてこないんだ。まあ、出荷数は少ないしマイナーなのもあるけどね、滅多に手に入らないよ」
「珍しいものなのですか?」
「ああ、それは光の加減によって微妙に色が変わるんだよ」

 言われて少し色々と角度を変えてみる。
 時にはピンクがかり、時には青みがかるそれは本当に彼女の瞳のようだった。
 
「プレゼントですね?」
「まあ、そんなものかな」

 確信に満ちた声に曖昧に答える。

「じゃあ、少し勉強させていただきますよ。良い人にでしょ?」

 言われて黙り込む。
 ほぼ肯定しているのと同じだな、と思った。
 提示された値段が予算より下回ることに驚く。

「石の買い付けは自分でやっているし、自分で作っているからこんなもんですよ」

 そうその職人は言って笑った。
 
 包みを手にその店を出る。
 無事に手に入ったことにほっとする。
 予定とは違うアクセサリーになったが、多分気に入ってくれるだろう。
 しかもこういう市街地の中の店ならば彼女は多分知らないだろうし。
 そう考えると自然と顔がゆるむのがわかる。

 後は言い出すタイミングだな、と思う。
 上司にも、ティーラにも。
 早い方が良いだろうな。
 そう考えて寮に急いだ。

******

んでもって、これをプロポーズの後に渡しているはずなんですけどぉ……。
そこんところが出てこないんですよねぇ…。

そうはいっても出てきたら出てきたで、恥ずかしさのあまり悶絶するんでしょうけど…… orz

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。

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Comments

わははw
いっそ仲良く悶絶しましょーよw ←
Posted at 2010.02.10 (20:34) by さつきのひかり (URL) | [編集]
同じ店ですか(笑)
出来るなら訪ねてみたいお店ですね
Posted at 2010.02.10 (21:20) by ネコ長 (URL) | [編集]
私も覗いてみたいお店だわぁ~♪
Posted at 2010.02.11 (20:26) by 紫ふぁんとむ (URL) | [編集]
ああ、どこもらぶらぶだよなぁ・・・(遠い目)
Posted at 2010.02.11 (20:28) by wakka○ (URL) | [編集]
> わははw
> いっそ仲良く悶絶しましょーよw ←

ははははは orz
既に十分に悶絶してますので、これ以上は勘弁です。
Posted at 2010.02.11 (20:31) by たか1717 (URL) | [編集]
> 同じ店ですか(笑)
> 出来るなら訪ねてみたいお店ですね

えーと、何処と??
偶然行きあったのでまたいけるかは甚だ疑問です。
Posted at 2010.02.11 (20:31) by たか1717 (URL) | [編集]
> 私も覗いてみたいお店だわぁ~♪

えーとぉ……i-202
連れてけなくてごめんなさい。
Posted at 2010.02.11 (20:33) by たか1717 (URL) | [編集]
> ああ、どこもらぶらぶだよなぁ・・・(遠い目)

そういうそちらもね~。
Posted at 2010.02.11 (20:33) by たか1717 (URL) | [編集]
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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