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ただの物語 断片61 angel Rose

これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね? 

********

「フィン、世話役をやってみないか?」

 突然の呼び出しを受けて行ってみたら、また突然な提案を言い渡された。
 思わずため息をつく。

「今度は一体なんですか?」

 思わず冷ややかに聴く。

「そもそも世話役になる人というのは、決まっているでしょう。いきなり言われて『はい、わかりました』で出来るものではないのもご存じでしょう」
「それはそれで事情があるから、大丈夫だ」

 ミカエルは平然と言い放った。
 一体どういう事情だ?
 思わず睨みつける。

「私の子なので、私が良いと言えば許される」

 自分の眉間にしわが寄るのがわかる。
 なんでまたこの時期に大天使の子などを生み出したのか、その意図が分からなかった。

「ならばアリスやアリシアに頼めばいいでしょう」

 彼女らは同じミカエルの子だ。
 どうせなら同族に頼んだ方が話が早いだろうに。

「アリスは何処に居るかわからないし、アリシアは今は頼める状態じゃない。そうしたら後はフィンに頼むしかないわけだ」

 確かに放浪癖のあるアリスはいつもどこに居るか不明だった。
 この人が捜せばあっという間に見つかるハズだが、それをする気はないらしい。
 アリシアの方は確かに今は無理だった。

「この子なんだが……」

 そう言って自分の後ろから子供を引っ張り出す。
 しかしその子はミカエルの服を掴んで放さず、更に陰から出るどころかまた引っ込みたがった。
 その瞳が不安に揺れている。

 と同時にそのエネルギーを見て分かった。
 ミカエルだけではなく、もう一人混じっている。
 思わず目が据わるのがわかる。
 なるほど、私に話が来るわけだ。

「名前はロザ*****。事情があって前の世話役が側に居れなくなった」
「事情……、ですか。貴方が掻っ攫って来たという訳ではなくて?」
「結果としては掻っ攫って来たんだが」

 言われて更に気分が冷ややかに下がる。

「向こうに置いておくくらいなら、こちらに引き取ったほうがいいと思ってな」
「そもそもどこに居たんですか?」

 ふと疑問に思って訊ねる。
 そしてその場所をきいて後悔した。
 確かに置いておきたくない場所だ。

「ひょっとして?」

 ふと湧いた疑問を声を出さずに心話で聞く。
 そして肯定が返ってくる。
 確かにそれではミカエルが掻っ攫って引き取ってくる気になるのは分かる。
 分かるがまだ疑問が残る。

「こちらではなくあっちにお願いしてはいかがですか?」
「私の子を?それは無理だろう。こちらで面倒をみるのが筋だと思うし、向こうは向こうで人手がないだろうしね」

 貴方だけの子じゃないだろうっ!と言いたいのを堪える。
 確かに見た目はミカエルの子だ。
 分かったのは自分の魂の系統のせいだ。

「…………………、わかりました」

 ため息と一緒にそれしか返せなかった。

「でもそうすると自分のツインも関わりますが…」
「うん、そうしてくれるとありがたいな。フィンだけじゃちょっと心配だ」

 言われてちょっとだけムカつく。
 確かに子供を育てるなどしたことがない。
 世話役に色々迷惑をかけたことはあるが。

 一方、子供は不安そうな目でこっちとミカエルを見比べていた。
 確かに何も分からないまま不安だろうとは思う。
 膝をついて目線を合わせる。

「こんにちは、ロザ*****」
「…………こんにちは」

 かろうじて聞こえる声で答える。

「ほら、今度からこのにーちゃんに色々我儘言って良いぞ。見た目は怖そうだが、中身は子供だからな」

 ミカエルのセリフに思わず睨みつけたくなる。
 
「……ない?」
「え?」

 言われた言葉を聞き取りきれなかった。

「……痛いことしない?」

 もう一度言われたセリフに思わず絶句する。
 しかしその子の瞳は不安でいっぱいだった。

「しないよ」
「ベッドに縛られることも?」
「無いよ」
「嫌な白い服の人に囲まれることもない?」
「大丈夫だよ」

 そこまで言うとようやく淡い笑みを浮かべた。
 そしてミカエルを見上げる。
 ミカエルもその子を優しく見降ろしていた。

「名前、なんて呼ぼうか?」

 そう聞いてみる。
 ロザ******は長すぎて呼びにくい。

「今まではRZとか、ローザ、ロジーと呼ばれていたらしい」

 ミカエルがそう答える。
 それをきいてまた子供の瞳が不安に揺れる。
 あまりいい思い出ではないらしい。

「じゃあ、ローズでどうだい?」

 聞くとうなづいた。
 
「おいで」

 そう言うとミカエルから離れてこちら来た。
 ギュッと抱きついてきた。
 手を引いていくつもりだったが、その必死さがなんかそれをためらわせた。
 そのまま抱き上げる。

「で、まずどうしたらいいんですか?集団の方へ入れたほうが?」
「そっちは話を通してある。セラフィトを訊ねてくれれば全部わかるはずだ」
「…わかりました」

 懐かしい世話役の名前をきいて複雑な心境になる。
 どちらにしても一度彼を訊ねてみようと思っていた。
 そしてそのまま部屋を出る。

「あれ~?フィン、何その子?」

 しばらくも行かないうちに一人捕まった。

「レティ……」
「へぇ、可愛いねぇ。なんかアリシアに似てる」
「まあ、ミカエルの子だからな」
「ああ、そうか」

 そう言ってレティは目を和ませた。

「で、その子を何故フィンが抱いているの?」
「世話役を頼まれた」
「…………相変わらず無茶言われるね」
「仕方がない。ちょっと出てくるから後よろしく」
「は~い。大丈夫だよ」

 そしてミカエルの邸を出て、セラフィト様のもとへと急いだ。

********

違和感がない、と言われたので取りあえずお披露目。
レイは覚えてないそーだ。
まあ、そんなもんだろう。

ちなみにローズさん、どうも遠足同期のHさんらしい。
どーも引っかかってはいたのだが。

ちなみに惑星ヴェール時代は、ルーシェの子供でレオン君のお姉さんのディジーちゃんだったらしい。
…………どーゆーご縁だ。

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。
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Comments

いろんな縁があるんですねぇ~
ミカエルのセリフに吹きました(笑)
Posted at 2010.01.22 (10:38) by ネコ長 (URL) | [編集]
> いろんな縁があるんですねぇ~
> ミカエルのセリフに吹きました(笑)

いろんな縁があり過ぎです。
ミカさん…………。
あの人どうにかしてください。
Posted at 2010.01.23 (21:43) by たか1717 (URL) | [編集]
とりあえず、ハリセンで殴っときましょうか?>ミカエル

いつの世も、お世話になりっぱなしなようで・・・
なんとも^^;
Posted at 2010.01.23 (23:31) by *ひなた* (URL) | [編集]
> とりあえず、ハリセンで殴っときましょうか?>ミカエル

はい、よろしくお願いします。

> いつの世も、お世話になりっぱなしなようで・・・
> なんとも^^;

なんか世話をするのが性分な気がしてきた今日この頃です。
本当に何名世話すりゃ気が済んだろ~。
Posted at 2010.01.24 (21:04) by たか1717 (URL) | [編集]
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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