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ただの物語 断片46 懇親会

さて、戻って惑星ヴェール時代ですw
本当なら「作戦」の続きを載せたいところですが、某所経由のすり合わせが帰って来ねぇんですよね。
なので終わっているやつから。

 これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね♪ 

******

「よお、エル・フィン。今度の休みにある懇親会だけどな」
「懇親会?」

 昼の休み時間に声をかけてきた、同じ基地に配置されたばかりの同僚に聞き返す。
 聞いた覚えがない。

「あれ?ちゃんと事前連絡が回ってなかったか?総務部とか後方支援課の女の子とたちとの懇親会のお知らせ。3日くらい前にこっちには連絡来ていたぞ?」
「ああ、あれか」

 思いだした。
 公休日の昼に開催される昼食会と銘をうってあったのも思い出す。
 昼から夕方までたっぷり時間が取られていた。
 どう見てもお見合いパーティにしか思えないそれに興味がなく、一読しただけで意識の外に追いやっていた。

「ああ、ってお前な~。せっかく女性と知り合うチャンスだろ。男して燃えなくてどーするよ?」
「あいにくその日は用事がある」

 実際ティーラに会いに行く予定を入れていた。
 せっかく中央に配属された最初の休みだ。
 会いに行きたい気持ちのほうが勝った。

「え?でも基本これって、よほどの理由がない限り欠席不可じゃなかったっけ?」
「なんだそれ?一応外出届は出してあるが……」
「受理されずにもどってくる可能性があるな」

 そう言われて憮然とする。
 なんで公休日にそんなものを開催するんだ。
 面倒な。

「どちらにしても興味がない」
「はぁ?お前女の子に興味がないのか?」
「そういう意味じゃない」

 うんざりしてそう言う。
 女性に関しては学生時代に嫌というほど一方的に付き合う宣言をされた覚えがある。
 その後の幼馴染を巻き込んでの騒動にどれだけ苦労したことか。
 それ以来出来るだけ相手にそういう期待をもたれないように気を使っていた。
 なのにそういう場に出たら嫌でもまた似たような騒動が起きかねない。

「じゃあ、なんだよ?こういう職に就いた以上、女性と知り合うチャンスは出来るだけ使わないとツインと出会えないじゃないか」
「ツインならもう居る」

 そう言った途端そいつが固まる。
 
「え??どこに?」
「神殿」
「……どこの?」
「この中央の」

 同僚の質問に簡潔にこたえる。
 するとようやく納得したようだった。

「ああ、だから外出かぁ。おっしゃぁ、ライバル一人削減」
「なんだそれ?」

 呆れて聞き返す。

「いや、女の子とたちのプロフィール帳が回ってきてるから今晩見に来ないかと思ったんだが」
「それはプライバシーの侵害では?」
「そんな堅いもんじゃない。ちゃんと主催者側から用意されているんだ」

 顔写真と名前と所属が書かれたそれが事前に独身男性側に提示されているらしい。
 ということはその逆もあるのか。
 少しうんざりとしてそいつの話を聞いていた。


「あいにく外出届は受理できません。この日は配属したばかりの下士官全員には懇親会への出席義務があります。欠席する場合は相応の理由が必要です」

 端末でそう総務部に言い渡される。
 嫌な予感ほど当たるものだ。

「どのような理由でしたら受け入れられるのでしょうか?」

 逆にこちらから訊ねてみる。
 それが分かれば対応の仕方がわかるというものだ。

「任務が重なった場合と家庭の諸事情です。親族の結婚、親の急病、訃報などが該当しますが、同時に証明を出す義務が生じます」

 言われてちょっと考える。
 家庭の諸事情にツインのことも入るのだろうか?

「質問よろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「ツインに会いに行く場合は配慮されるのでしょうか」

 駄目もとで直球勝負を仕掛けてみる。
 向こうが面食らった顔をした。

「ツインが、いらっしゃる?」
「はい」

 しばらく沈黙をしている。

「それでしたら、逆に懇親会へは必要最低限の出席をすれば義務を果たしたとみなされます。今回は2時間出席すればその後は退席自由です。残念ながら欠席は認められません。そのあとでよろしければ外出届を受理いたしますが、よろしいでしょうか?」

 そう言われて考える。
 とりあえずこれが精一杯か。

「分かりました。それでお願いします」

 そう言って端末での通信が終わる。
 会える時間が削られるのは痛いが、まるっきり会えないよりましだろう。


 懇親会は盛況だった。
 立食パーティの形をとっており、しかし合間にゲームなどのイベントもはさんでおり、気軽に交流できるよう工夫がされている。
 同期も張り切っていたし、上官で独身の人たちも大勢出席し、女の子たちも精一杯おしゃれをして来ていた。

 そうはいってもこちらは全然その気がないので、出来るだけ目立たないように壁際によって一人で黙々と食事をし、退出できるタイミングをはかっていた。
 しかしそれでも声はかけられたり、誰かによって話の輪に引き入れられたりはしてしまったが。

 それでも時間が来て退出できる時間になると目立たないように気をつけて、会場を後にする。
 それからは走って宿舎にいったん戻り、目立つ軍の上着は脱ぎ捨て、配給とはいえより一般的な上着を羽織り、外出許可証を持って基地から出る。

 同じ中央とはいえ、神殿までは結構距離がある。
 タイミング良く来たバス(?)に乗り、何とか神殿に辿り着く。
 教えられていた通り、面会用の門に着き、守衛に面会申し込みをする。
 
「フィン!」

 中に入った途端、ティーラが駆けてきた。
 そのまま抱きしめる。

「ごめん、用があって遅くなった」
「うん、大丈夫。よかった間に合って」
「?」
「今日になって夕方から仕事が入ったの。あと少しで会えないところだったから」

 言われて更にがっかりする。

「もうすぐ?」
「あと1時間もしないうちに準備に入らないと」
「そうか、ごめん」

 下手したら会えないところだった。

「すいませんが、奥の応接室でその続きはお願いできますか?」

 苦笑した口調で守衛に言われて我に返る。
 しまった、門に入ったばっかりのところだった。
 こんなところで邪魔になってしまった。

「すみません」

 そう言って守衛の人に謝り奥に入った。


 短い逢瀬の後、ついでに散策して門限前に基地の宿舎に戻ると、同期の奴が待ち構えていた。

「お前懇親会を勝手に抜け出して、どこ出歩いているんだ?」
「許可はちゃんととったぞ?最低限の時間は居たんだから義務は果たした」

 そう答えると嫌そうな顔をした。

「なんだよ?」

 思わず聞いてみる。

「お前が途中で居なくなっただろ?その分女の子達にインパクトがあったらしく、色々と憶測が飛んでいたぞ」
「どんな?」
「あまり途中退席する新人はいないらしい。女の子も自分はまだ話をしてないのにとか残念そうだったぞ。
 さらに配属早々特殊任務でも着いたのかとか、どうして途中で居なくなったかと詮索されていたな。一番のヒットは女性に興味がないのかとかなんとか」

 部屋に戻る途中にそれらをきいて思わず憮然となる。

「そんな変な噂を消すためにも次の懇親会は絶対最後まで参加な?」
「その目的はなんだ?」

 ライバルが居なくなることを喜んでいたそいつに聞いてみる。

「お前、女受けがいいみたいだから、餌?」
「撒き餌か」

 思わず言ってみる。
 テキトーに笑って見せられた。
 図星か。
 面倒なんだがな。

 
 後日調べてみたら、懇親会はツインが居る場合は一番最初以外は年数回ほど出ればいいようだった。
 それ以来最低限の義務、上司からの命令がある時以外は欠席し続けた。

******

本当はけっこう出席は義務だったらしいです。
他部署との交流も目的だったらしく、顔をつないでおくと連携がスムーズに行くからとか言うこともあったらしい。
なので結構引っ張り出される羽目になってます。

ただ某奥方曰く、壁際でぶすっとした仏頂面で淡々と飲み物を飲んでいたそうな 笑
らし過ぎるwww

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。


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Comments

壁際で仏頂面でたんたんと飲んでるエル・フィンさん…目に浮かぶなぁ(笑)
学生時代の苦労は目に浮かぶどころか、ニガ~イ感じで出てきますね(-_-;)
そうそう相手の一方的な勘違いなんだよなぁ…(遠い目)
ルーシェさんではそんな苦労した覚えはないんだけど、この差は何だろう??
Posted at 2009.12.18 (14:22) by マッチャ (URL) | [編集]
あー‥、目に浮かぶ様です(笑)
うん、撒き餌にはサイコーでしょうな
娘さんのお話も楽しみに待ってます
Posted at 2009.12.18 (14:36) by ネコ長 (URL) | [編集]
> 壁際で仏頂面でたんたんと飲んでるエル・フィンさん…目に浮かぶなぁ(笑)

苦笑
学生時代もそう言うことをやっていたんでしょうねぇ。

> 学生時代の苦労は目に浮かぶどころか、ニガ~イ感じで出てきますね(-_-;)
> そうそう相手の一方的な勘違いなんだよなぁ…(遠い目)
> ルーシェさんではそんな苦労した覚えはないんだけど、この差は何だろう??

あはははは、学生時代はお世話になりました。
すいませんねぇ、彼女に間違われてしまってww
ルーシェさんの場合は彼女が出来れば一筋!なのに、エル・フィンの場合は一方的な恋人宣言される人だったから、その差が出たのでは?
Posted at 2009.12.18 (20:50) by たか1717 (URL) | [編集]
> あー‥、目に浮かぶ様です(笑)
> うん、撒き餌にはサイコーでしょうな
> 娘さんのお話も楽しみに待ってます

目に浮かぶんですか~~~ orz
確かに良い撒き餌だったようですよ。

……娘さんの話って何??
Posted at 2009.12.18 (20:51) by たか1717 (URL) | [編集]
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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