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水晶薔薇庭園館綺譚21 日食式典5

 会場の一番後ろの壁際が自分にとっての定位置と決まっていた。
 着くとそこには銀巫女様がいらっしゃった。
 何度か下には言わずに会っているが、こういう場で会うのは珍しい。

「大丈夫なのですか?ここにいらっしゃって」

 そう思わず心配して聞く。
 確か緑の姫君の伴奏でハープを弾くと聞いていた。

「まだ、大丈夫です。ありがとう」

 そうふわりと笑う。
 その姿は本当にきれいで見惚れるほどだった。

「まだ分身できないのですって?」

 静かに問われる。
 その澄んだ瞳には嘘やごまかしは通用しないし、また言う気にもなれない。
 これがトール師のもう一つの姿であるのは分かっていても、やはりエネルギーが違うので対応がどうしても変わってしまう。

「少しの、一つの催しの間なら大丈夫です。先ほどそのための封印は解いていただきました」
「でしたらすぐに分身していなさい。開会したら大変ですよ」

 そう銀巫女様は告げると静かに去って行った。
 その向かう先にはデセル主任が居た。
 この方はすでに分身できているらしい。
 軽く黙礼するが、避けるかのように銀巫女様を護衛していった。
 なぜかデセル主任には避けられ続けている。
 銀巫女様のその優美な後ろ姿を見届け、言われたことに確かにそうかもしれないと思う。

(エル・フィン、落ち着いたら分身して本部に来い)

 まるで見計らったかのようにセラフィト様から心話が入る。
 連携でもしているようだった。
 確かにこちらも落ち着いて、分身は可能だった。

 先ほど教えていただいた方法でエネルギーを分ける。
 久しぶりの感覚に違和感を感じるが、それはとりあえず無視する。

 一人は会場で開会を待ち、もう一人は本部に入る。
 式典の服装で分身できたことから、一応それも視野に入れて作られた服なのだと確信する。

「どうしました?」

 本部に着くなりそう聞く。
 それまで心話で呼びかけてもとにかく来いの一点張りだった。 

 こちらの姿を確認するとセラフィト様は満足そうだった。

「なんだ、出来るじゃないか。どちらも均等にエネルギーが分かれていて問題もないな」
「わざわざそれのチェックですか?」

 思わず脱力しそうになる。

「それとやはり直接エル・フィンがグリッドを見ていたほうがいいようだ。俺だとドラゴン族であるために天使族の作ったものに対していまいち抵抗がある。
 それにやはりいまから監視していたほうが無難な気がした」

 シェーンの言葉に納得する。
 確かにエネルギーが満ちてからよりか、その前からのほうが無難なのはたしかだ。

 やがて会場が暗くなり、開会のあいさつが行われた。 

 そして歌が始まる。
 緑の姫君と呼ばれている彼女の歌だ。
 先ほど見た姿はいつもの彼女とは違い、白いドレスを着た姿はとてもかわいらしかった。
 たしかに下の人たちが思い浮かべる天使とはこんな姿だろうと思った。
 
 静まり返った会場に広がる澄んだ歌声。
 思わず意識を奪われ、聞き入りそうになる、が、つながった会場のグリッド網が意識をつないだ。

 思った以上に歌のエネルギーが大きい。
 グリッド網が軋む。
 エネルギーはどこも滞らず流れて、この会場から外へと流れて行っている。
 ただ流量が多い。

(シェーン、シンクロしてくれ)
(わかった)

 心話でやり取りする。
 警備本部の方から会場に張り巡らしたグリッド網とシンクロする。
 さすがにこの状況で一人でシンクロしたら神経が焼き切れる。
 隅々まで流れを見たが今のところは何処も流量オーバーで破綻はしていない。
 ただそのエネルギー量のまま外へと勢いよく流れ出ていく。

 そして気づいた。
 軋んでいる、と感じたのはグリッド網もその歌に共鳴して音を奏でていることに。
 そうすることによってエネルギーの流量を増やすことが出来ているようだった。

 その技術に舌を巻く。
 デセル主任はこのことも考慮に入れてこのエネルギー網を構築したらしい。
 さすがとしか言いようがない。

 手元にあるステーション全体を見る機械は他の会場で行われている音のバイブレーションも同時に高まり、地球をめぐるグリッド網に共鳴して流れて行っているのを示していた。

 しばらくその音と彼女の歌を聴く。

(すごいな)

 そうシェーンがもらしたのに同意の気持ちだけ送る。

 そしてステーションの外の方が気にかかり、技術部へと確認を入れる。
 技術部の方も歌エネルギー、音楽エネルギーの量に驚いているようだったが、問題なく人為グリッド網へ流れて行っていることを伝えてきた。

 気になる個所はあるようだが、現時点では問題がないということだ。
 
 会場のほうはみんながこの歌に聞き入っていた。
 特に問題は起きていない。

(エル・フィンも歌えばよかったのに)

 ポツンとシェーンが伝えてくる。
 思わず苦笑いする。

(彼女が、ツインがいないのに歌えるわけないだろう?)

 複雑な心境が伝わる。
 言いたいことは分かっている。
 でもまだ時期じゃない。
 もう少し時間がかかる、それを待たなければ。
 
 本気でないお遊びの歌なら気が向くと歌っているが、シェーンに言わせるとそれは歌ではないらしい。
 そう彼女にも言われてよく怒られた。

 歌が終わる。
 最後の音が消えるとール師は大きく上に飛び上がった。

~・~・~・~・~・~

で、一応追いついたのかな??
ここを思い出すのにやたらと時間がかかりました。

まあ、仕方ないですよね。
色々とその間に分かったことが多数あって、それが全部ここに入ってましたから。

上の私のブロックの強さに脱力。
いい加減にしませう。


※登場人物などに関しましては「水晶薔薇庭園館綺譚について」をご参照願います 。
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Comments

>上の私のブロックの強さに脱力。
>いい加減にしませう。

それだけ大事に思われているってことよね~。
包容力の大きさを感じます♪
Posted at 2009.10.30 (23:46) by wakka○ (URL) | [編集]
> それだけ大事に思われているってことよね~。
> 包容力の大きさを感じます♪

いや、ただの過保護でしょう、あの人の場合は。
ツインへの対応を見ていてもつくづく感じました。

そしてまったくもって、ただの障害にしかなってませんww
早く解禁していただきたいものです orz
Posted at 2009.10.31 (12:17) by たか1717 (URL) | [編集]
>いや、ただの過保護でしょう、あの人の場合は。
>ツインへの対応を見ていてもつくづく感じました。

過保護なんですね~。
過保護といえば・・・・。
私の周りは、過保護が多いわ(笑)
せっかくだから、甘やかされてあげましょう~v

>そしてまったくもって、ただの障害にしかなってませんww
>早く解禁していただきたいものです orz

うちも、仕事の方はアウトです~。
どんな人としてるかも、まったく。
ま~~、絶対、私が質問攻めにして、
でもついていけなくて@_@になるせいかと・・・やっと気付きました(-_-;
Posted at 2009.10.31 (18:04) by wakka○ (URL) | [編集]
> 過保護なんですね~。
> 過保護といえば・・・・。
> 私の周りは、過保護が多いわ(笑)
> せっかくだから、甘やかされてあげましょう~v

うん、wakka○さんの周囲は過保護多いですね 爆
えええ~~~、でもこれ以上は甘やかされたくない~~~~ ←贅沢?

> うちも、仕事の方はアウトです~。
> どんな人としてるかも、まったく。
> ま~~、絶対、私が質問攻めにして、
> でもついていけなくて@_@になるせいかと・・・やっと気付きました(-_-;

仕事は教えてはいけない規則でもあるのかな?上って。
でも私の場合上司筋から情報が入るんですけど 笑
でも確かに聞いたら(・o・)になるのかも。
Posted at 2009.10.31 (22:34) by たか1717 (URL) | [編集]
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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