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水晶薔薇庭園館物語20 日食式典4

「お前なぁ、式典の警備責任者が出歩いてどーするよ?何かあったら困るだろう」

 警備本部に入った途端セラフィト様がそう声を掛けてきた。

「大丈夫ですよ、シェーンが居ますし、セラフィト様が此処に詰めて頂けるなら」
「変なところだけ似てきたか?」
「そんなことはないと思います。会場の方にも参列されますよね?」

 念のため聞いてみる。
 この方ならトール師同様分身が可能だ。

「そうだな、そっちと共有エリアのイベントの総合警備本部と今はステーションの入口か、で済んでいるから今は楽だな。今回はここはあくまでサポートだし」
「本当に分身できれば楽でしょうね」

 ため息混じりに答えてここに設置してある末端から会場のエネルギーグリットと同調する。
 脳裏に浮かぶ会場を包む幾何学模様。
 現時点で問題はなし、外への接続部分も大丈夫だ。
 それを隅々まで確認して一度同調を解除する。
 ホイールスコープでも十分確認は取れるが、やはり同調する方がより細かく見ることができる。
 特に大舞台前なら一度きちんと見た方が安心だった。
 
「エル・フィン、グリットと同調するならまず俺とエネルギーシンクロしてからにしろ。エネルギー不足で倒れるぞ」
「一応下に色々と調整に周ってもらったからこれくらいなら大丈夫だよ」

 過保護なドラゴンにそう言って聞かせる。
 いくら調整してもやはり限度はある。

「そう言えば下はどうしているんだ?」
「普通に過ごしてますよ。先ほどまで繋がってましたが、今はブロックしているので大丈夫でしょう、これが終わるまでは何が起きているかも感知できません」

 今度はセラフィト様の問いに答える。

「お前、本当に下に対して過保護だよな?」
「下はそう思っていませんけどね」

 時々特にこちらと繋がれない時に呼び出しを受けて文句を言われる身としては、結構複雑な気分になる。
 ただ上を自覚して目覚めてから間もないため、やはりこちらとしては慎重にならざる得ない。

「すみませんが、セラフィト様、少しここにいていただいてよろしいでしょうか」
「会場に行くのか?なんならそっちの俺が動いてもいいぞ」

 言われて一瞬戸惑う。
 確かに会場のセラフィト様に確認していただいた方がここは早いのかもしれない。

「お前ね、こういう時こそ使える人を使わんでどうする。遠慮なく使え、ただし式典の間だけな」

 片目をつむって見せたセラフィト様に思わず口が綻ぶ。

「では、遠慮なく。まずステーションの入口からこちらの会場への道でトラブルが一件起きたようです」
「ああ、あれだな。入口受付の俺が向う」
「それと会場入って直ぐのあたりで、混乱が。シリルとドラゴン族が対応していますがうまくいかないようです」
「そっちはちょっとかかるな。流れに逆らうし、他に待機要員を何人か回そう」
「ありがとうございます」

 そう答えてさらに心話で部下に指示を与える。

 セラフィト様にお願いしている最中も指示を与え続けていたが、同時にずっと会場のエネルギーグリット網も監視を続ける。

 頭の中がいくつかに分かれて独自に動いているという状態だ。
 下と意識が繋がっていたら、さすがに下は混乱してしまったか、さもなくば面白がったのかもしれない。

 シリルからの報告で共有エリアの助っ人が思ったより早く到着したため、混乱は最小限に収められたようだ。
 そのタイミングでセーラムとシリルで外と中を入れ替わるように伝える。
 人を導くのはシリルよりセーラムのほうが適任だったが、会場内で混乱が起きると思わず配置ミスをした。

「通路のほうはトラブル収めたぞ。入口に戻った方がいいか?」
「どんな感じでしょうか」
「母船からの送迎艇はすべて着岸し終わったようだから、後は他からの小型船だけだな」
 
 一方で楽屋側ではザイオンから式典出演者が全員入場完了との報告を受ける。
 楽屋内では天使領域からの応援部隊が対応しているはずだ。
 そちらはスムーズに終わったようだ。

 入口のエルリックからもほぼ参加者が受け付け終了したことを報告受ける。
 何人かまだのようなので、エルリックと他共有エリアの警備員を2・3人残すように指示する。

「入口受付はほぼ終了したようなので~」
「そのようだな。じゃあ、俺とお前んのトコの若いのだけ残ろうか」
「それでは少なすぎるかと思うのですが」
「……だな。はしゃぎすぎたグループが来ないとも限らないな。ほか二人を残そう」
「共有エリアで何か?」
「あったが、そっちは俺の管轄でどうにかする問題だ。おまえはこちらに集中しろ。必要なら必ず伝える」
「わかりました」

 出来れば把握しておきたかったが、ここはセラフィト様を信頼することにする。

 外のセドリックからも異常なしとの連絡を受ける。
 フィリアからもアセンテッドマスターたちも無事に会場入りしたと、報告を受ける。

 会場はほぼ全員入場したようだった。
 さすがにこれだけ入るとエネルギー密度が高くなる。
 しかし技術班の計算したレベルに納まっているため、問題はなかった。
 
 実際に開会したらもっとすごいレベルのエネルギーが流れることとなる。
 それも全て人為グリッドに流すことになる。

 現時点で滞りやエネルギーが流れないという不具合は確認されない。

「会場のほうに行かないとな」

 ため息交じりでそう言う。
 本来ならここから最後まで指示を出す必要があるのだが、そうも言っていられない。
 もとからの打ち合わせで、開始には会場にいることになっている。

「エル・フィン、お前本当に分身できないのか?」

 いきなりセラフィト様に言われる。
 怪訝な顔押して振り返るとさらに続けられた。

「お前のエネルギーキャパシティを見ている限り、そろそろ常時は無理でも一時的に、そうだな、ひとつの催しの間くらいなら、分身できるはずなんだがな」
「あ、俺も思った。そもそも下とわずかな時間なら同時存在できるんだ。出来ないはずがない」

 シェーンにも言われてさらに困惑が広がる。

「だとしても、どうしたらよいかいまいち把握しかねております」

 一番の問題はこれだ。
 一応知識として知ってはいるが、実践がないため、またはそれをまだ封じらているようでうまくいった覚えがなかった。
 下はまた別人格のようなものなので、下が意図すれば自分とは別に存在することが出来た。

「ちょっと来い」

 その困惑をどう取られたのか、いきなり手招きされる。
 近くに行くといきなり肩をつかまれて額を合わせられる。
 と、同時に流れ込んでくる知識というか感覚。
 あまりの情報量に一瞬めまいがする。

「これで分かっただろう?必要ならそれで動け」

 言われてはっとする。
 ほんの数秒のことだったようだ。
 しかし同時に自分の中の分身に関する記憶の封印も解かれ、さらに効率的なやり方まで知ることとなった。

「ありがとうございます」

 まだふらつく頭を軽く振って会場へと移動した。

~・~・~・~・~・~

というわけで開始直前までです~。
とりあえず。

こうやってみると本当に大忙しな舞台裏です。
上司の方はさらっと書かれておりますがww

こっから歌までの間がまだ解凍されてないんですねぇ。
困ったものです。


※登場人物などに関しましては「水晶薔薇庭園館綺譚について」をご参照願います 。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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