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水晶薔薇庭園館綺談 1

『お願いね、私がいなくなったら、この子を守ってね』

 彼女はそう言って自分にほほ笑んだ。
 あれはいつのことだったろうか。
 彼女の隣にはエメラルドグリーンに光る培養ポッド。
 
 その時自分は嫌だとかそう言ったのではなかっただろうか。
 彼女が一番大事で、その彼女が失われるなど我慢できなかったのだから。
 だからそんなことを言わせた“それ”を憎悪もした。

『ああ、でも本当にこの子と会ったら、あなたの方が骨抜きにされるかもしれないわね』

 そう彼女はくすくすと笑った。

『お願いね、エル・フィン。この子を彼らの手から守ってね』

****

(全くいったい何故こんなものをいまさら夢に見るのだ?)

 エル・フィンは目覚めた時から少しうんざりした。
 かなり古い記憶なのは確かだった。
 自分さえきちんと把握しきれてないくらい古い記憶。

 どうやら三次元体の自分がその記憶を掘り起こしてしまったようだった。
 確か自分のツインについての記録を探していたのは知っていた。

「おはよう、どうした?」

 シェーンが起きてすぐに動きださない自分を不思議に思ってのぞきこんできた。
 守護竜であり名を交わした間柄であるシェーン。
 かなり前からいたにもかかわらず三次元体の自分になかなか認識されず、古い友人の三次元体を使って強引に認識させたのは記憶に新しい。

「彼女の夢をみた」

 それだけ言うとシェーンには通じたらしい。
 さすがに古くからの付き合いがある分、分かり合えることが多くて助かる。

「どうやら三次元体の自分が、この記憶をもてあましているらしい」

 さらにそう続けると、「ああ」といって納得したようだった。
 時々ふっと思い出しては「う゛~~~~~」とうめいているのはシェーンも見ているのだ。

「確かに。これをレオンに知られたら、また騒動が起きるからなぁ」

 シェーンに言われて思わず渋面を作る。
 幼馴染にして心友のリシェルテが目を覚ました時に起きた騒動を思い返すだけでうんざりする。

 まさかあそこまでレオンが騒ぐ(というのも妙だが)とは思ってもみなかった。
 そもそもどうしてあそこまでリーシャを目の敵にして、あれこれレオンもその三次元体も騒いだかが分からず、対応に手を焼いた。

 リーシャがうまく対応してことを鎮めてくれて本当に助かったが、なぜそこまで嫉妬したか本当の理由を知った時は、三次元体ともども頭を抱えて呻いてしまったくらいだった。

 そう考えると自分の三次元体はかなり自分と同じく恋愛などに関しては欠落して不足していると思わざる得ない。

『今まで女の子を冷たくバッサリ切ってきたツケね♪』
 などとリーシャは面白がって言っていたが、実際何故レオンに対しては今までと同じ対応は取る気にはなれなかった。

 それはともかく三次元体は自分が思い出した魂の記憶を文書化し公表することで客観視し、受け入れて己を知るというプロセスを行っていた。

 しかしこの記憶を文書化してレオンの三次元体に知られたら、レオンにそれは伝わってまた騒動になるのでは?という三次元体の懸念もわかる気がする。

 でも同時に彼女に関しては三次元体の方もよく思い出せておらず、どこにいるかも認識ができないため、リーシャの時のような騒動になるとは限らないのだが。

「でも、そろそろ準備した方がいいんじゃないか?いい加減時間だぞ」

 言われてあわてて身支度を済ませる。
 出来れば仕事に行く前にレオンに会っておきたかった。
 そうしないと何をやらかすか心配で仕方がない。

 一日一回顔を合わせれば大丈夫なのを知ってから、どうしてもここに戻ってこれない時以外は必ず顔を合わせるように心がけていた。

 全く子供ってこんなに手のかかるものだったろうか?

 今度ルークにルーシェの記憶から昔のレオンがどうだったのか聞いてみようと心に思った。


~~~~~~~~~~~

はい、分からない人はわからないままでいいです。
現在進行形の「上」の話です。

分かる人だけ楽しんでください。


 
 
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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