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水晶薔薇庭園館綺譚16 日食式典準備(7月中旬)

 人為グリッド計画の始動が日食式典とその会場と決められた為に、グリッド設置中の会場でポイントの確認を行う。
 この計画は上司の発案であるため、会場の管理及び監視は遊撃隊が行うように通達されていた。
 会場外は技術部が管轄する事になっている。

 会場内の一通りの視察を終えて、更に式典のセットがどのようになるかを確認する。
 そのうえでどのように人員を配置すればよいかを考えあぐねている。
 いざという時にすぐに動けるように、特別に自由に動ける立場で警備に組み込んでもらうほうがいいかもしれない。
 
 何の役割もなく会場内にいることは不自然だった。
 しかしいざという時にすぐに動いて、最悪の場合技術部にすぐに引き渡せるようにしないといけないし、その際の賓客の誘導も必要だと判断を付ける。

 どちらにしても警備本部に席を一つ置いてもらいそこからグリッド全体の監視を自分がしたほうがいいのかもしれない。
 
 一度総責任者である共有エリア警備主任であるセラフィト様に相談してみようと考えて、打ち合わせ中のセラフィト様がいらっしゃる警備本部になるであろう場所に移動した。


 
「それだけどな、この式典では多分お前が警備責任者になることになりそうだ」

 いきなりそんなことを言われて面食らう。

「共有エリアの式典ですから、共有エリア警備主任のセラフィトさまが責任者なのでは?」
「通常はそうだな。でも今回の計画の性質上、天使エリア統括配下の者が行ったほうが無難だろう」
「確かにそうですが」

 そもそもこの式典を人為グリッド計画始動に使おうと考えたのは誰だったのか。
 こちらとしてはすでにそれを含めての説明しか行われていないため、そのあたりは把握していない。
 それよりもいかに実行するかのほうが大事だった。

 確かに天使エリア統括の人員配置を考えても、作戦の配置を考えてもその役は自分しか受けれそうにない。

「とりあえず統括からは、何も今のところ通達されておりませんので、何とも」
「そうなると俺がお前の指揮下に入ることとなるなぁ」

 面白そうに言われて対応に困る。
 もともとセラフィト様との付き合いはこの世界に「個」として生まれたすぐ後位から始まっている。
 集団で育てられる天使族の習慣として、常に三次元に親に当たる面倒をみるもの何名かおり、その一人がセラフィト様だった。
 その時からずっといくつもの転生を経験して巡り会っても下の立場から変わった覚えはない。
 そもそも本来自分がいちばん上に立つのは苦手としている。
 
「まあ、あんまり心配するな。ちゃんとフォローはするから」

 そう言われて思わず「はあ」と生返事だけを返した。



「……と、いうわけだ、エル・フィン。当日の警備は君に頼む」

 天使エリアに戻り、報告のために上司のもとに行くと逆にいろいろと説明を受けた。
 そして少々げんなりとした投げやりな口調で言われて本当にそうなったかと内心ため息をつく。

「演出はご愁傷様ですが。まあ、統括が会場にいるのは当然でしょう。……しかし、私に会場全体の警備責任者なんて務まるのでしょうか」

 一応予告があったとはいえ、さすがに正式に通達されると思わず弱気にならざるを得ない。
 大体ここに就職してからはもちろん、今まで大きい場での「責任者」などやった覚えがない。

「大丈夫、君なら務まるよ。私達天使エリアのチームが計画責任者だから、会場警備もうちの者が担当しないとね。セラフィトにも話は通してある。式典中は共有エリアの警備員と、臨時警備員が君の下につくことになるようだ。忙しいだろうが、任せるからうまくさばいてくれ」

 そうにこやかに言い切られるとさすがにこれ以上反論するには忍びない。

「分かりました。努力します」

 そう答えて席に戻る。
 
「何かありました?」

 戻り次第セーラムに声をかけられる。

「式典での会場警備責任者を任された」

 思わず投げやりに言う。
 
「ああ、やっぱり……」

 苦笑しながらいわれてこちらも笑うしかない。

「そんなわけで先ほどまとめてもらった警備案を持って、もう一度セラフィト様のもとに行って来る」
「端末での通信では駄目でしょうか?」
「いや、直接伺ったほうが逆にいろいろとアドバイスもいただけて良さそうだ。後を頼めるか?」
「構いません。ちなみに今セラフィト様は天使エリアでは○○○地区にいるようです」
「ありがとう」

 そう答えながら部屋を出て、セラフィト様に心話を送った。



 前日になると更にその準備にあわただしさが増す。
 式典用に装飾された会場内をくまなくチェックしながら、その作業のために壊れたグリッドがないかもチェックする。

 更に音響もチェックしてどうなるかを技術部がシュミレートして、弱いところを直していく。

 そんな最中に当日の警備班との顔合わせというか顔見世を行った。
 こちらは遊撃班全員で出席する。
 一応一番上になる以上前もって会っておくとおかないではかなり違う。

 しかしやはりこちらが上にたつのに微妙に不信感を持っている者もいそうだった。
 確かに今まで全然名前も聞いたことのない新参者が、いきなり一番上といわれても不審がるのは当然だろう。
 セラフィト様の手前そんなことをいうものはいなかったが。

 打ち合わせが終わって、一度解散になる。
 リハまでは其々チームでのミーティングだ
 しかし俺とセーラムだけはまだセラフィト様と打ち合わせと、警備本部の機械のチェックが残っていた。
 遊撃隊はザイオンに任せる。

「よお、エル・フィン。お前偉くなったもんだなぁ」

 そう肩をたたかれて振り返る。

「ニールス、様??」

 その顔を見て驚いた。

「はっは~ん、その様子だと封印が解けたな」

 面白そうに言われて複雑な顔になる。
 以前に共有エリアでバイトした時は思い出せずに居て、それを面白がるようににやにやされていたが今となってはそれは当たり前だった。

 昔の上司の副官だった方だ。
 その時にいろいろとお世話になったものだった。

「ニールス、明日のことでいっぱいいっぱいになっているエル・フィンをからかうんじゃない」

 笑いながらセラフィト様が窘めてくれたが、その顔も面白そうだった。
 セーラムも控えめに笑っている。

「そうだな。じゃあ、明日はよろしくな、エル・フィン。こっちは任せてくれ」

 そういうとニールス様は警備班の部下のほうに指示を出すべく走って行った。
 それを見送ってからセラフィト様に向き直る。

「……遊ばれてますか?」

 思わずそう聞きたくなって言ってみた。

「いや、そんなことないぞ」

 笑いを堪えた顔で言われても説得力がない。
 こちらの封印が解けたことを機に色々と企んでいたに違いない。
 でも確かにニールス様がいらっしゃるのであれば、そちらのほうは全面的に任せて大丈夫だと信頼がある。

「じゃあ、とりあえず最終確認をするか。リハもあるしな」

 そう言われてセーラムと一緒に明日の警備本部がおかれた場所に向かった。


~・~・~・~・~

上司のところが先にアップしたので遅れながらアップしてみました。

そちらは「銀月物語99 式典準備」をご覧ください。

たぶんこの後にリハをして、さらに打ち合わせ、そして当日になるはずです。
どー考えても寝てないね、この間。

そしてゲネプロした覚えがないのは何だろう??

今回解凍中一番のびっくりはニールス様がいたこと…… orz
ええ、昔のエル・フィンをとてもよく知る人の一人です。
下の人っているのかなぁ。


※登場人物などに関しましては「水晶薔薇庭園館綺譚について」をご参照願います 。
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【銀月物語 101】 日蝕式典 ~ 光の糸 ~

歌のエネルギーがいったん収束すると、トールはそっと少女の後ろから離れ、翼を広げて足場を蹴った。空中に高く舞いあがると、会場から地球へ広がるグリッドがよく見える。(グリッド班全員、聞こえるか?)(了解)放った心話にすぐ反応がある。スタッフルームやグリッド...

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Comments

解凍お疲れさまでした~。
そちらはこういう流れになっていたんですね~。
詳細で読み応えあります!
ニールス様…副官てことは以前の悲しいお話しに出た方?
本当に魂は永遠で繰り返し巡りあっているんだなぁと気が遠くなります、今更ですが(^_^;)
Posted at 2009.10.21 (13:13) by マッチャ (URL) | [編集]
> 解凍お疲れさまでした~。
> そちらはこういう流れになっていたんですね~。
> 詳細で読み応えあります!
> ニールス様…副官てことは以前の悲しいお話しに出た方?
> 本当に魂は永遠で繰り返し巡りあっているんだなぁと気が遠くなります、今更ですが(^_^;)

ありがとうございます~。
はい、こちらはこういう流れになってましたww

ニールス様はそう、あの副官の方です。
本当に魂は永遠の繰り返しで巡り会っていそーです。
気は確かに持って 笑
今はツインの方と結婚してステーションに家もあるそうです、って余分な話ですねww
Posted at 2009.10.21 (22:54) by たか1717 (URL) | [編集]
はぁ~!
大変ですね/^^)←隊長殿に敬礼
頑張ってくださいね(^^)
Posted at 2009.10.22 (01:10) by まみー (URL) | [編集]
> はぁ~!
> 大変ですね/^^)←隊長殿に敬礼
> 頑張ってくださいね(^^)

いや~、これくらいは大変なうちに入らないかとww
まだまだですよん。
Posted at 2009.10.22 (20:20) by たか1717 (URL) | [編集]
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参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
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