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Dark Age 8 出会い1

「君、綺麗だねぇ」

 ロッカールームで教科書の出し入れをしていると、そう声をかけてきた奴が居た。
 声からして男(同性)だった。

「ねぇねぇ、良かったらお茶でもしない?奢るから」

 そう続けざまに言ってくる。
 俺はそれを無視してロッカーを閉じた。
 施錠と魔法鍵を設定する。

 学生用ロッカーといえども、セキュリティの関係でちゃんとカギなどはしっかりしたものが用意されていた。
 とはいえ、個別に施錠コードを設定するシステムだ。
 施錠コードを見られたら、意味が無い。
 
 そのまま声の主を見向きもせずに、そこを離れる。

「あれ?無視しちゃうの?こんなにいい男なのに」

 後ろから掛けられた声に、思わず脱力しかかる。
 自分で自分の事を言い男なんて言う馬鹿が、本当にいるとは思ってもみなかった。
 それを堪えて歩き続ける。

「じゃあ、またな~」

 そう更に声がした。
 また何てあるものか。
 たまたま居合わせただけの奴に、また会うとは思わなかった。

 ドン、とぶつかるように側に来たやつが居た。

「相変わらず持てるなぁ、エルスは」

 クラスメイトの奴だった。
 高等学校から一緒に飛び級したそいつは、ニヤニヤ笑っていた。
 
「迷惑」

 一言でそう言う。
 今までも何度も同性異性にかかわらず、声は掛けられていた。
 興味が向いた時以外は基本無視をしてきた。

「確かに同性に言い寄られても、迷惑っちゃー迷惑だな。
 でも相手も結構男女問わずモテそうな奴だったなぁ」
「ふうん、そうだったんだ?」

 思い出すように言われて、おや、と思った。
 その時同じクラスの奴が、口を出した。

「さすがエルスには、学校一の色男も声をかけたか」
「なんだ、それ?」

 思わず聞き咎める。

「アイツ、有名だよ。
 一つ学年上だったかな。
 男女問わずに声かけて、遊んでるやつだって。
 気をつけろ、ってサークルの先輩から忠告された」
「お前が?」
「俺じゃなくて、一緒に居るエルスが結構気に入られそうだからって」
「そりゃそーだ。お前の様なむさい奴には、さすがに声はかけんだろう」

 友人達の突っ込みに、言い返したのを更にからかわれる。
 わはははは、と笑う周りの奴に軽く苦笑して見せる。

「まあ、エルスは大丈夫だと思うけどな」
「そうそう、こいつは真面目だから、そんな奴に引っ掛かりっこない」
「でも万一ってこともある」
「まあ、気をつけるよ、ありがとう。
 でも顔見てないから、気をつけようがないな」

 そう言ったら友人達に驚かれた。

「見てないって、声かけられて?」
「横からだったし」
「いや、それでも普通、声がする方見るだろ?」
「無理無理、エルスはそういう軽い奴は基本無視するのが癖だし、恋愛に興味が無い珍しい奴だから」

 周りが唖然としたところで、高等学校以来の友人がフォローを入れる。

「まあ、そう言う訳だよ」

 それに乗じてそう言って苦笑する。

「……まあ、でも、奴が一度無視された奴に、何度も声を変えるとは限らないしな」
「けどあいつは女には挨拶代りにナンパするって聞いたぞ」
「俺は女じゃない」

 友人達の心配をよそにそう言ってやる。

「偶々、偶然近くに居たから声をかけただけだろ。また会うとは限らん」
「確かにな」

 そうやって話しながら歩いていて、講義室に着いた。
 ちょうど始業の合図が鳴る。
 俺達はそのまま講義室に入って、その話はそこで終りになった。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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