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紅緋古譚 33 調整

 バトルスーツの調整があった。
 特に不具合は無かったが、何か新しく開発した素材がどうこうと言われ、データをとるためだった。

 そこからの帰り道のことだった。

「あれ、君、あいつの情人じゃない?」

 そう声を掛けられて、そちらの方を冷ややかに振り向く。
 制服着た知らない奴が立っていた。

 そのまま無視して通り過ぎようとする。
 すると行く手を遮られた。

「覚えてない?あいつが退院した時に、あいつの家で馬乗りになっていただろ?可愛かったから俺は覚えているんだけど」

 言われて闖入者がいたのを思い出す。
 思わずムカつく。

「あいつが女性戦闘員に夢中になっている、と聞いた時はどういう方向転換だと思ったけど。
 ふうん、確かにこうやって見ても可愛いねぇ、気持ちはわかるかな」

 そうベラベラ勝手にしゃべるのを睨みつける。

 あまり好きな類の奴じゃないな。
 どいてほしいと思う。

「ねえ、どうせなら俺にも試させてくれない?
 あいつがのめり込むくらいの体なんだろ?
 興味があるなぁ。君にとっても俺の方が、あいつよりも良いかもしれないよ?」

 そう言ってねちっこく肩を抱き寄せようとする。

「触るな」

 一応そう警告する。
 だがそいつは意に介さないようだった。

「そう冷たいこと言わずに、ね。直ぐそこにおれの自由になる部屋があるし、時間かからないし…」

 そう言ってそいつは肩に手を置いた。

「触るな、と言っただろっ!」

 いうと同時に短剣を一閃させる。
 手ごたえがあり、同時に赤い色が飛び散る。
 ふふふ、こんなやつでも、やっぱり綺麗な赤なんだな。

「イテッ!何しやがるっ!」

 突然のことに傷口を抑えて、そいつが喚く。
 ぽたぽたと赤いしたたりが押さえきれず落ちる。
 そうだろう、太い血管を斬り裂いたからな。

「ふふふ、奴はこれくらい平気でよけたのにねぇ」

 思わず笑みがこぼれる。
 
「お前、俺にこんなことしてただで済むと思うなよっ!」
「どうただで済まないんだ?」

 負け犬の遠吠えのような言葉に、冷ややかな声が重なる。
 奴だ。

 普通の戦闘服のようなものを着て立っていた。

「ウ、ウルフ…、こいつが突然」

 途端にそいつが言い訳じみた事を言い出す。

「人のモノに手を出そうとした報いだろ。それですんで有難いと思え。下手したら新しい実験体になっていたかもな」
「おい、こいつの方を持つのか?!」

 悲鳴のような声が上がる。

「俺はね、お前の力は認めているし、それなりに敬意を持って接しているつもりだよ。
 でもこの間邪魔してくれたのも含め、人の気に入ったのに手を出そうとした事を許せるほど寛大じゃないんだよね」

 奴はいったんそこで言葉を斬った。

「それにこれくらいの攻撃、避けられないなんて、お前、緩んでないか?
 『再教育』申請してやるから、じっくり修行して来い」

 冷ややかにそう言って笑った。
 俺の前では見せない、冷たい顔だった。

 怪我した奴は『再教育』という言葉に震えて、慌ててその場を立ち去った。

「悪いな、ルーちゃん、面倒な思いさせて」

 そう口調を変えて声をかけてくる。

「あいつ、同僚か?」

 一応聞いておく。

「ん~、まあ、似たようなモノ?あの怪我じゃ、しばらく使ないな」
「悪かったな」

 念のため謝る。
 こいつの手ゴマを減らすつもりは無かったのだが。

「あ、いーの、いーの。ルーちゃんの攻撃を避けられないような、使えないバカは要らないから。
 それよりこんなところでどーしたの?」

 そう聞かれる。
 確かにおれの通常の行動範囲外ではある。

「バトルスーツの調整の帰りだ」
「ああ、そうなんだ。じゃあ、これから訓練?」
「そうだ」
「じゃあ、またね」

 そう言って奴は戻っていった。
 俺もそれを見て、訓練場所へと移動した。

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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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