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水晶薔薇定見館綺譚43 トラブル(5月末)

「すみません、お手数をおかけさせて」

 そう言ってセドリックが恐縮する。

「気にしなくていいわ。責任をとるのが私の仕事だもの。貴方が出来るだけ頑張ったのはみても分かるわ」

 そう言ってその壁を見る。
 変に膨らんでまるでアメーバみたいな異常を見せている壁に、ありとあらゆる対処をしたのはみて分かった。

 それをじっくり観察する。
 そして手をつき、感覚の触手を伸ばす。
 異常が出たので、その対処をして行ったのだが、結果として更に余計な反応を出させてしまったようだ。

 原因は……。

 場合によってはSVFやREFで焼きつくそうと思ったが、これではその手は使えない。
 仕方がない、手間はかかるが……。

「セディ、この貴方が施した色々なものを一度に解く事は出来る?」
「出来ますけど、隊長、大丈夫ですか?」
「大丈夫、一瞬のすきを見て、この壁を切り出して私が結界を作って包むわ。
同時にこの壁を新しく作って嵌めこめるかしら?
そうしないと結界壁が壊れて、最初から構築し直すっていう手間がかかるから……」
「やります」

 決意をあらわにしてセドリックが言う。
 「できます」じゃなくて「やります」と言うところに彼の真剣度が現われていた。
 その真剣な表情に思わず微笑む。

「じゃあ、よろしくね」

 そう言ってまず新しい結界壁を指定の大きさに作らせて、準備させる。
 そしてタイミングを合わせて、色々と施した対処を解かせる。
 同時にその壁が更に拡大して異常をきたす前に、そこだけREFの炎刃で切り落とし、結界に包んで取りだし、更に準備させて落ちあ壁をはめ込む。
 はめ込んだものを周りの結界壁と調和させて、更に強化させる。

 そうしてその結界壁は元の状態に戻った。

「ふう……」

 セドリックが一息つく。
 これで取りあえず終了だ。

「隊長、それはどうするんですか?研究室に回すんでしたら、持って行きますけど」

 私の持っている結界の中の壁を見て、そう聞く。

「それをしても意味無いからねぇ」

 そう言ってその切り取られた壁を結界内で壊す。
 と、何やら生物らしきものが出てくる。
 それは暴れることなく、ほっと一息をついて、同時に怯えていた。

「…………なんですか、それ」
「まあ、一般的にアヤカシとかモノノケとか、3次元で言われるもの、かな?
 波動域が天使エリアより低いところで生息している物なのは確かよ」
「何でそんなものが?」

 不可解、と顔に書いてセドリックがたずねる。

「さあ?よく分からずに突っ込んじゃって、身動きが取れなくて、でも波動が合わなくて苦しんで暴れていたようね。
 それで周りに変な歪みやらをつくって、被害を拡大させていたみたい」
「突っ込むって、天使エリア内ですよ?不可能でしょ」
「だから、誰かに強引にテレポートさせらちゃったのかもね。酷い話」

 ため息交じりにそう言う。

「……ひょっとして、隊長はその原因を御存じなんですか?」
「やりそうな心当たりはあるけど、そこまで力あったかしら~?ってところね。
 まあ、ただの事故の可能性の方が大きいわね。
 捕食動物に追われて、めちゃくちゃにこの子が飛んだ可能性も否定できないし」

 そう言ってその結界を持ったまま移動を開始する。

「どーするんですか、じゃあ」
「波動域の低いところに行って、放すわよ。どう見ても悪意があってやったわけじゃなさそうだし」

 そう言ってその結界内を見る。
 何時の間にか大人しく座っている。

「おとなしいですね」

 それを見てセドリックが言う。

「まあ、この結界内だけ波動を低くしたからね。苦しくなければ暴れる事もないわよ」
「……慣れてませんか、隊長」

 こちらの様子を見て呆れ気味にそう聞く。

「うん、最近何故かウチの家の結界に突っ込んでくる子が多くてね。
 最初はショックで死んじゃう子もいたけど、ティの助言で外側に受け止めるクッションとしての保護捕獲の仕掛けを作ったの。
 その子たちも基本的に本当は大人しいいい子たちよ。
 ただ家と波動が合わないから、長い間存在出来ないけどね」

 そう言って通路の交差点に来る。

「じゃあ、セディ、後の報告書作成お願いね」
「分かりました」

 そう言って私は波動域の低いところへと向かった。
 このいきものを放すために。


++++++++++

何か前後しちゃった。
トールさんが入寂する前の話です。

結局これでかなり色々とあったのが分かりますね、振り返ると。
色々と揺らいでいたみたいで。

ちなみに、ウチの家の方に飛んできたちっこいモノノケさんたちは、ちゃんと保護しております♪
ただね~、お家の中は波動域が高いので、色々と大変だったけどねぇ。

そのお話はまた後日。

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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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