すぴ?☆ライフ
スピリチュアルに興味のあるるごくごく普通の人が遭遇してしまったスピリチュアルな事を書きつづってます。 「いったい何が起きてる?!」
水晶薔薇庭園館綺譚42 世界樹の下で2
- Posted at 2010.06.19
- l水晶薔薇庭園館綺談
「いかないと後悔するぞ」
フィンにそう言われた。
でも怖かった。
あの時も本当は怖くて嫌で行きたくなかった。
でも参列しないとダメだった。
見たくなかったのに。
何故?
何故大切なものを亡くして見送らないといけないんだ?
何よりもその時は……。
「エルス、行こう」
ティにそう言われる。
「やだ」
子供みたいに我儘を言う。
「後悔するぞ。今度は2度目はないんだぞ」
言われても動けなかった。
「……じゃま、したくない」
ぼそりと言う。
最期の時はやはり大事な人と二人きりの方が言いに決まっている。
そう言い訳する。
でも違う。
怖いんだ。
本当に失くことの怖さを知っている。
だからこそダメなんだ。
本当に全てを無くすわけじゃない。
いくつものエッセンスはあちこちに散らばって残っている。
だから続いて行く、のだけど。
気付いたら世界樹の見える場所にいた。
強引に連れてこらえた事に気付いた。
思わず後ずさろうとして、阻まれる。
後ろにがっちりとティが居る。
「行こう?」
言われて、押されて歩き出す。
じゃま、したくない。
それも本音。
怖いから見たくない。
これが本当の気持ち。
ゆっくり、でも、見える場所に行く。
かなり希薄になっていて、思わず息をのむ。
周りにいた人が気付いて、場所を少し開けてくれる。
ティの支えが無かったら、そこまで行けたどうかわからなかった。
ふわふわとして。
“やあ、エルス”
言われて何も言えなくなる。
“君はもう大丈夫だね”
安心したようにそう言われる。
ああ、そうか。
俺も懸念の一つに入っていたのか。
安心して逝かせてあげる為にも、会いに来なくてはいけなかったんだ。
「大丈夫、です。ティが、ツインが居ます。俺の、為だけの」
それだけようやく言う。
先輩は、笑ったようだった。
「ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。お、私がちゃんと付いています」
ティがそう言う。
“そう、良かった…・”
言われて泣きそうになる。
我儘を言いたくなる。
昔、本当は…………。
その時の情景と重なる。
大声で泣いてしまいたかった。
なんで?と言いたかった。
戻って来て、と。
一人にしないで、と。
葬儀で。
良識のある大人だったから、学院を継ぐものとしての立場があったから、出来なかった。
黙ってこらえるしかなかった。
そして今も出来ない。
それは俺がやる事じゃない。
見守られていた人の、見守ってきた人の権利だ。
でも視界が歪んだ。
勝手に涙がこぼれおちる。
どうやって戻ってきたか覚えてない。
気付いたらティに抱き締められていた。
俺は壊れたように涙を流していた。
彼は何も言わなかった。
でも哀しんで居ないわけじゃない。
何も言わずに抱きしめ返し、そのまま泣き続ける。
++++++
エルスのお別れの仕方、でした。
昔々はショック過ぎて、逆に本当は悲しいとかそういうのが麻痺していたんですが。
ちなみにこれを書いたら、本体もようやく泣けました。
その時にこいつが居たからこそ、最初泣けなかったんだな、と思いました。
ずっとこらえていたのはエルスもだったんだな。
これをDLされた時、気付いたんですよね。
エルスが出てきたのはツインからのラブを満たすだけじゃなく、エルスのブロック掛けていた感情も解放する必要があったんだなって。
なのでこのタイミングだったんだな。
BGMはこちら。
フィンにそう言われた。
でも怖かった。
あの時も本当は怖くて嫌で行きたくなかった。
でも参列しないとダメだった。
見たくなかったのに。
何故?
何故大切なものを亡くして見送らないといけないんだ?
何よりもその時は……。
「エルス、行こう」
ティにそう言われる。
「やだ」
子供みたいに我儘を言う。
「後悔するぞ。今度は2度目はないんだぞ」
言われても動けなかった。
「……じゃま、したくない」
ぼそりと言う。
最期の時はやはり大事な人と二人きりの方が言いに決まっている。
そう言い訳する。
でも違う。
怖いんだ。
本当に失くことの怖さを知っている。
だからこそダメなんだ。
本当に全てを無くすわけじゃない。
いくつものエッセンスはあちこちに散らばって残っている。
だから続いて行く、のだけど。
気付いたら世界樹の見える場所にいた。
強引に連れてこらえた事に気付いた。
思わず後ずさろうとして、阻まれる。
後ろにがっちりとティが居る。
「行こう?」
言われて、押されて歩き出す。
じゃま、したくない。
それも本音。
怖いから見たくない。
これが本当の気持ち。
ゆっくり、でも、見える場所に行く。
かなり希薄になっていて、思わず息をのむ。
周りにいた人が気付いて、場所を少し開けてくれる。
ティの支えが無かったら、そこまで行けたどうかわからなかった。
ふわふわとして。
“やあ、エルス”
言われて何も言えなくなる。
“君はもう大丈夫だね”
安心したようにそう言われる。
ああ、そうか。
俺も懸念の一つに入っていたのか。
安心して逝かせてあげる為にも、会いに来なくてはいけなかったんだ。
「大丈夫、です。ティが、ツインが居ます。俺の、為だけの」
それだけようやく言う。
先輩は、笑ったようだった。
「ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。お、私がちゃんと付いています」
ティがそう言う。
“そう、良かった…・”
言われて泣きそうになる。
我儘を言いたくなる。
昔、本当は…………。
その時の情景と重なる。
大声で泣いてしまいたかった。
なんで?と言いたかった。
戻って来て、と。
一人にしないで、と。
葬儀で。
良識のある大人だったから、学院を継ぐものとしての立場があったから、出来なかった。
黙ってこらえるしかなかった。
そして今も出来ない。
それは俺がやる事じゃない。
見守られていた人の、見守ってきた人の権利だ。
でも視界が歪んだ。
勝手に涙がこぼれおちる。
どうやって戻ってきたか覚えてない。
気付いたらティに抱き締められていた。
俺は壊れたように涙を流していた。
彼は何も言わなかった。
でも哀しんで居ないわけじゃない。
何も言わずに抱きしめ返し、そのまま泣き続ける。
++++++
エルスのお別れの仕方、でした。
昔々はショック過ぎて、逆に本当は悲しいとかそういうのが麻痺していたんですが。
ちなみにこれを書いたら、本体もようやく泣けました。
その時にこいつが居たからこそ、最初泣けなかったんだな、と思いました。
ずっとこらえていたのはエルスもだったんだな。
これをDLされた時、気付いたんですよね。
エルスが出てきたのはツインからのラブを満たすだけじゃなく、エルスのブロック掛けていた感情も解放する必要があったんだなって。
なのでこのタイミングだったんだな。
BGMはこちら。
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