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ただの物語71 帰還連絡

これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね。

******

 一番最初に戦場で人を殺した時、一日中その感覚が手にへばりついていた。
 あまりに気持ち悪さに、嘔吐し、ダウンしていたら、嫌な上官に下世話な本気ともつかない冗談でからかわれた。
 それゆえにそれからは気持ち悪くても、どんなに体調が悪くても出来るだけ表に出さないように、気をつけるようになった。

 一応覚悟をしていたとはいえ、人を殺すのはこんなに嫌なものだったとは。
 
「でもその分、ちゃんと生きようと思わなければ、駄目だぞ」

 そう言ったのは同じ小隊の上官だった。

 作戦から帰ってきて、すぐの休みの日に神殿を訊ねようとした。
 ティーラとの約束で作戦に行くことを伝えたら、必ず来るように約束させられたのだ。
 しかし門の前まで行って、躊躇する。

 この血に汚れた、人を殺めた手で、彼女を抱きしめるのか?
 巫女になるために修行している彼女を、汚すだけじゃないのか?

 そう思って面会受付を前にして、踵を返そうとした。

『エル・フィン!ちゃんと顔を見せに来て!』

 いきなりそういう心話が飛んできた。
 どうやら向こうは待ち構えているようで、思ったより距離的に近かったらしい。
 そうするとこちらの逡巡も筒抜けだったかもしれない。

 一応神殿の領域は多種多様な結界を敷いているとはいえ、ツインの心話や共鳴はまるっきり障害にならないようだ。

 苦笑して受付を通して面会を申し込む。
 すると本当に待ち構えていたかのように、彼女が飛んできた。

 いきなり両手で顔の左右を挟みこまれ、目をのぞきこまれる。
 真剣なその表情に戸惑っていると、何か納得したように微笑まれた。

「よかった。貴方は何も変わってないわ」

 その安堵した言葉に、少々自虐的になる。

「変わったよ。人を殺した。何人も」

 そう伝える。
 仕事とはいえ、その事実は変わりようがない。

「いいえ、貴方の魂の根本は何も変わってないわ。人を殺すと歪みを生じる人もいるけれど、フィンにはそれがないわ。大丈夫よ」

 にっこり笑ったそのきれいな笑顔に、思わず微笑んだ。

「そう言われると、安心するよ」

 そう、何よりツインのティーラの保証が一番安心する。

「お帰りなさい」

 言われて破顔した。
 確かに言い忘れている。

「ただいま、無事に帰って来たよ」

 そう言って彼女を抱きしめた。


 それ以来作戦が終わったすぐの休みに、彼女に会いに行くのが習慣になった。
 もちろん修行の関係で会えないこともあったけど。
 その時は花を託して返ってくる。

 事情がありすぐに行けないときは、内緒で花だけを守護龍に託して、彼女の部屋の窓に届けてもらうようにした。

 無事に帰ってきた証に。


******

ちなみに本当は神殿には結界が沢山あって、本当なら心話や共鳴も出来ないよーになってたりして 苦笑
どーも色々とお目こぼしを戴いていたよーです。
もしくはこれは既に結界内に居たのかもです。
よー分かりませぬ。
もしかしたら、守護竜(シェーン)の力もあったかもねw

それにしてもここまでラブ♪なのに、プロポーズがあそこまで遅かったのは何故だろう 苦笑
いや、ラブ、だからこそ遅れたのか??
その辺りは未だに不明のままなのです orz

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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