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ただの物語69 里親

これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね。

******
 
「今度はこの子をお願いしたいんだが……」

 そう言って師匠(先輩?)が連れてきたのは、今度は8歳くらいの男の子だった。
 活発そうな、聡明そうなその子は期待と不安に目を揺らしていた。

 自分とツインは才能ある子供たちが学院に通うための世話をしていた。
 一種の里親、というようなものだろう。
 通常子供たちは寮に入り、そこで勉強をしてる事が多い。
 しかし自分の預かる子はたいてい色々事情があり、不遇な状況にあり、学院などに通える状況でない子がほとんどだった。

 そう言う6歳くらいから18歳くらいまでの子を面倒見ていた。
 最も私自身も学院で教べんをとる教師でもある。

 ただその子はあまり何か不遇があって、連れて来たって感じではなかった。

「今度は何処から連れて来たのですか?」
「えーと……、どこだったかな?」

 思わず目をそらして何かを思い出そうとする。
 その様子を冷ややかに見遣る。

「えーっとぉ、@@@@、:::::を通ってきたから・……あれ?ごめん、あっちこっちより道したから覚えてないや」

 悪びれずサラッというのを聞いて、思わず脱力する。
 まあ、それはいつものことだからいいとして、

「親にはちゃんと話してきたんですよね?」

 念のために聞いてみる。

「ごめん、今回それは省略した。その子がどうしても勉強したいって言うから、その熱意に負けてそのまま連れてきた」
「……………ふ~ん」
「…………あの、なんか怖いよ?」

 思わず目が据わるのが自分でも判ったが、さすがにつくろう気にもなれなかった。

「あのですね?それは一種の『誘拐』というものでは?『人攫い』ですよ?分かってますよね?」
「でもその子の意思に反して連れてきたわけじゃないから~」
「でも子供の親に無断に連れてきたら、十分人攫いだと思いますよ?」

 ため息つきながらその子のほうに見やる。

「あの、駄目ですか?」

 不安そうにしながらもはっきりと聞いてくる。
 そのことに思わず面食らう。

「ここに来たら色々教えてもらえるって聞いたのです。だから来たんです」

 必死に言い募ろうとするのに、思わず微笑む。

「そうだね、君の知りたいことはもちろん、そのほかにもたくさん勉強しないといけないけど、君が望むなら教えてもらえるよ」

 そう言うとほっとしたように笑った。
 それを見て、思わずつられて微笑む。

「******」

 家の奥に向かってツインでもある相方を呼び掛ける。
 ずっとこちらをうかがっていたのだろう。
 彼女はすぐに顔を出した。

「新しい子が来たよ。部屋に案内してあげて」
「わかったわ。こんにちは。私たちがここでは親代わりよ。よろしくね」

 そう言うと家の中に導き入れた。
 それを見送って、思わずため息をついた。
 確かにこれでは先輩が思わず連れてきたくなるわけだ。

「……とりあえず、預かります。ですから、一応、あの子のいた場所で親を探して、事情を説明してください。
 あの子を見ればわかる。
 親にすごく愛されて育ってきてる子です。
 両親はきっと死ぬほど心配している。
 場所が分かればこちらから手紙を出すんですが・……」
「ごめん、出来るだけそうする」
「それといい加減ふらふらせずに、教べんをとって後進の指導をしてください、と他の師匠から伝言が」
「それは無理だよ」

 先輩は最初は殊勝にいい、後半ははっきりきっぱりと断った。

「・……でしょうね」

 ため息とともにそう同意する。
 この人は一つのところに留まってはいない。
 でもそれはその使命のためで、この人のせいではない。

「じゃあ、頼んだよ」
「分かりました。それと定期連絡だけは忘れずに」
「分かったよ」

 そう言うと先輩はまた旅立っていった。


**********

ちなみに子供=静くん、先輩=トールさんらしいです(遠い目)

事情として。

ある高貴な人が周りの反対を押し切って子供を産んだのですが、その子が物心つく前に誘拐されたのが静くん。
誘拐された先で一番上のお兄ちゃんとして家族に愛されて育ったのですが、ひょんなことから自分が今の母親に誘拐された子だと知ったらしいです。
そこで産みの母親を探すためと、誘拐と言う事実を悟られない為?に家を出るのに、当時その町?を訪ねていた先輩に掛けあって、お願いして連れ出してもらったという事があったようです。

もちろんこちらは全然そんな事知らずに、そのままずーっと16歳くらいまで面倒みて育てていたりして。

ある時母親の居場所が分かったから、会いに行くと言うのを送り出したのですが、帰ってきたのは一枚の死亡通知でした。
どうやら学園に関わるものを持っていた為に連絡が来たらしい。

途中で事故に遭った為に、産みの親・育ての親とも会わずに亡くなったらしいです。

そんなこんなでこちらはやっぱり引っかかりがあったんでしょうね。
将来有望な子を失った事に対して。
死亡通知を貰って、一人泣いているのは思い出しましたから。

そんな訳もあって上で続き?のように引き取って一人前にしようと育てているっぽいです 苦笑

本当に面倒見良いなぁ、フィン。

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。
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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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