スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ただの物語 断片54 作戦5

と、言うわけでまだ続いてます。
当分続きますよん。

 これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね。


*******

 夜明けとともに始まったミッションは、その後直ぐに決着がついた。

 コントロールルームを抑え、一番上の奴を抑えると、あっという間に連携が崩れたのだ。
 そんな烏合の衆に劣るような軍ではない。
 投降する以外の者たちをもちろん容赦なく抑えていく。
 外に逃げようとする者たちはドラゴンたちが抑えた。
 そうして、通常の作戦ではありない少人数で、ありえない時間で決着がついた。
 
 念のために訓練所内をくまなく捜査する。
 どこかに誰か隠れて反旗を翻したら、それこそ問題だった。

「少尉!」

 そのうちの一人が呼びに来る。

「どうした?」
「子供が一人…」

 言われてそちらに走る。
 まるで刑務所のような場所にその子は繋がれていたらしく、そこから出てきたところだった。
 茶色の巻き毛の少年がこちらを見る。
 そして目を見張った。

「先生……」
「マルセル…」

 その子は自分が居る学校の子だった。
 ぶわっと泣きそうになるのを抱き上げる。

「大丈夫だよ、もう」

 そう言うとその子は号泣した。
 そのまま泣かせながら訊ねる。

「他には?」
「いえ、見当たりません」
「そうか……、お前はそのまま他の捜索を続けろ」
「了解です」

 そうして彼は捜索を続行して一つづつ扉を開けて行った。
 仕方ない、この子に聴くしかないか。

「マルセル、何時ここに来たか先生に言えるか?」

 そう聞くと泣きやんだみたいで、頷くのを感じる。

「休みに入ってすぐ、独りで遊びに行ったらいきなり…」

 怖かったらしくまた泣きそうになる。
 すぐ、というと俺がこちらに来た時だった。
 くそ、もう少し周りをよく見ればよかった。

「ここに来た時はマルセル一人しかいなかったのか?」

 きくと左右に頭を振った。

「だれがいたか、教えてくれないか?」
「うん、僕より大きい女の子がいた」
「その子は?」
「きのう、どっかに連れて行かれた……」

 言われて臍をかむ。
 一人、間に合わなかったのか……。

 その子を連れて制圧本部に戻る。
 地上に降りた送迎艇の前に簡易テントを張って、そこが制圧本部となっていた。
 いちいち艇の中に入らなくて済むように、デオンが急ごしらえしたものだった。
 取りあえずそこの簡易椅子に座らせ、待っているうように伝える。
 マスターがそれを見て、目で問いかける。

「一人、間に合いませんでした」

 そう報告する。

「でも、一人間に合ったんだろう」

 マスターがそう訊ねる。

「この子が連れてこられたのは、私達の失態です。おととい、連れてこられたそうです」

 そう声を絞り出す。

「私がこちらに移動・着任した日です。出発時にもう少し周りに気を配ればよかったのですが。すみません」
「エル・フィン先生?」

 マスターと話す俺を不思議そうにそうその子が呼ぶ。

「エル・フィン、君は教師としてあの町に潜入していたんだったね」
「はい」
「教え子を救えてよかったね」

 マスターはそう言って微笑んだ。

「……はい」
「ではその報告は終わり。君が暗い顔をしていたらあの子が心配するからね」
「ありがとうございます」

 そう言って頭を下げる。
 不思議そうに見るその子の前に目線を合わせるように座る。

「もう少し大人しくここで待っていられるか?先生はまだやることがあるからね。それが終わったら家に帰れるから」
「うん、先生は約束破らないもんね。待っている」

 にっこり笑って言われて思わず微笑む。

「じゃあ、一つだけ先生からお願いしていいか?」
「何?」
「ここで先生がやっていることは他の誰にも言わないでいてほしい。出来るか?」

 マルセルはきょとんとしていた。

「先生が助けてくれたって言っちゃ駄目なの?」
「それは大丈夫。でもここで見たことは駄目。いいか?」

 少しマルセルはなんで言ってはいけないのだろうと不思議な顔をしていた。
 しかし少し考えてから、マルセルはうなづいた。
 それに微笑んで頭をなでる。
 そうしてその子を置いて再度捜索隊に加わる。
 が、結局見つけたのはマルセルが言っていた女の子の遺体と昨日見た遺体だけだった。
 
 有機分解炉を作動させるのにまとめようと思っていたのだろう。
 既に分解しやすいようにバラバラにされ、分解炉の側に放置されていた。
 頭が残っていたためかろうじて判別がついた。
 顔を確認したところひと月ほど前に商品になった子だった。

 捜索隊もそれを見てさらに怒りが増したようだった。
 全てを見て回り、他に潜んでいた奴らは全員とらえられ、縛られて転がされている。
 本当はこの場で処刑してやりたいのは山々なのだが、そうするわけにはいかない。

 そのあたりを見届けてから、制圧本部に残してきた教え子のもとに戻る。
 するとそこではマスターがマルセルの相手をしてくださっていたようで隣に座っていた。
 デオンも一緒に居る。
 マスターはこちらに気づいて視線を向けた。
 子供が居る手前、言葉で凄惨な報告をする気にはなれず、首を左右に振って子供の生存者が他に居ないことを伝えた。
 マスターはそれに軽くうなづく。

 そうして再びマルセルに向き合って微笑むと

「両手を出してごらん」

 といった。
 不思議そうに見やりながらマルセルは両手を前に出した。

「怖かったろうに、一人でよく頑張ったからね。ご褒美だよ」

 そう言って空中から、手のひらの上にキャンディが三つばかりもぱらぱらと降らせた。
 マルセルは茶色い目をまんまるくしてお菓子を見つめた。

「うわあ……! ありがとう、先生、魔法使いなの?」
「……そうだねえ、魔法使いになりたかったな。だからまだ見習いだよ」

 マスターはそう言って笑い、マルセルもうれしそうに笑った。
 その様子を見て思わず微笑む。
 この方も本来戦争などなければ軍人にもならず、こうやって子供の相手をしたいのかもしれない。

「良かったな」

 そう言って頭をなでる。

「エル・フィン先生も出来る?」

 上を振り向かれて期待に目を輝かせてそう言われて思わず返答に詰まる。

(給湯室の引き出しにもう少しあるみたいだよ)

 そうマスターから心話で言われる。
 思わずマスターを見るとにこやかに笑っている。
 やってみるか。
 スペルを書いて魔法で取り寄せる。
 最も自分は1個が限界だが。

 そうして取り出したものを渡しながら言う。

「先生はこれくらいが限界だな」
「先生の先生はすごいんだねぇ」

 キラキラとした目で言われて思わず苦笑する。
 確かにマスターの場合は魔法でなく、サイ能力で取り寄せたので少し違うのだが。

「お…、お兄さんもできる?」

 一瞬デオンを「おじさん」と言おうとしたのだろうと思わず噴き出す。
 こちらを睨んでからデオンはマルセルに向き直った。

「残念ながら俺は出来ないんだ」

 そう言って二カッと笑う。
 マルセルを気遣っているのだろう。
 最も噴き出したことで後で何か言われるのだろうが。

 その時外が騒がしくなった。
 どうやらトップの実況見分が終わって戻ってきたようだった。

 3人で顔を見合わせて、うなづきあう。

「マルセル、ごめんな、まだ待っていてもらわなくちゃいけないんだが…」
「うん。大丈夫だよ」

 そう言ってキャンディをもらったマルセルは嬉しそうに笑った。
 マスターは書記役の部下にマルセルを見ているようにお願いし、3人でテントからでる。

「生きたまま有機分解炉に放り込め!」
「子供達と同じ運命を味わわせてやれ」

 デオン隊がそう言ってブーイングをしていた。
 相変わらず物騒な隊だ。
 実際にデオンがOKを出したらそれを実行するだけの度胸と行動力もある。

 残念ながら俺たちも同じ気持ちだが、それをやっていては事件が解明できなくなる。
 ため息をついて首を横に振るしかない。

「隊長!」
「駄目といった駄目だ。今まだそんなこと出来ねえんだよ、わかるな?」

 一人思い切って、直訴するがデオンは却下した。
 何とかそのトップを移送艇の個室に監視付きで放りこんでからぼそっと呟いた。

「……本当にやってやりたいな」 

 その独り言にマスター同意するかのように片方の肩をすくめて見せた。

********

という状況になっておりました orz
本当に悲惨な現場です。
仕事内容もね~…………。

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。
スポンサーサイト
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
12 02
最新記事
FC2カウンター
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

たか1717

Author:たか1717
なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。