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水晶薔薇庭園館綺譚12 羽の話(6月中旬くらい)

 仕事をキリつけて休憩を兼ねて天使領域のビュッフェにセーラムといった。
 休憩の時間とは言え、つい話題は結局仕事の話がメインになってしまう。

「あ、エ…じゃない、隊長」

 声が聞こえてそちらを見るとセドリックとフィリアが居た。
 ちょうど休憩を取りに来たらしい。
 そもそも1日フル稼働の部署の為、一応自分のペースで休憩や食事は入れるように通達してある。
 とはいえ一緒になることは結構多くない。

「どっちでもいいぞ、呼び方は」

 もともと上下関係なく、というより俺が臨時バイトで入った時に知り合ったため、お互い名前で呼んでいた。
 いきなり役職名で呼ぶというのもなかなか難しいのかもしれないと思い、そう伝える。
 色々な関係あくまで上司になってしまっただけなのだ。

「いや、でもケジメですから」
「そちら空いてますか?ご一緒して大丈夫ですか?」

 セドリックがマジメぶって答える。
 それにほほ笑んで気まじめにもフィリアが確認を取る。

「私は構いませんが?」
「俺も構わないよ」

 そう言うと二人は同じテーブルに座る。
 しばらくは仕事のことがメインで雑談をしていたが、ふとフィリアが口火を切った。

「そう言えば隊長は何故翼を出さないんですか?」
「えっ!隊長翼あるんですかっ!!俺、みたいですっ!!」

 聞いた途端勢い込んでセドリックが言う。
 思わずそれに面食らう。
 
「邪魔だし、普段必要と感じないからな。もともと翼などなくても支障ないし、この姿の時は普通に羽なしだったからあると違和感を感じるから」

 そう言うとフィリアは不満げだった。

「もったいないです。綺麗なのに。せっかく天使エリアに居るんですから、出しちゃったらどうですか」

 言われて余計に不思議に思う。
 なぜそこまで言うのだろうか。
 セドリックが期待に目を輝かせてこちらを見ている。

「確かに、出していた方が逆に目立たないですよ、エル・フィン」

 そうセーラムが言う。
 そして気がついた。
 どうやらこの領域に羽がないのにいることがすごく目立つことらしい。
 仕事にかまけて気付かなかったが。

「そんなに目立つのか?」
「あのですねえ、エル・フィン隊長。何処をどうやったら天使エリアで羽なしが目立たないと思うんですか。ここでは羽がある方が当たり前です、共有エリアと違って。
 しかもエリア内を隈なく移動する仕事をしていれば、みんなが嫌でも注目します。そんな訳で友人知人からどんな人なのか色々と問い合わせを沢山貰ってますよ」

 説明されてそういうものなのかと思う。
 実感はまるで感じない。

「ちょっと、まって。セーラムも隊長が羽を持っているって知っているんですか?もしかして他のみんなも?」

 セドリックが傷ついた様子で口を挟む。

「いや……。そんなことないとは思うけど。後ザイオンは知っているはず…だな」
「そうですね、前から知っているのは私とザイオンだけのはずです。でもユーリグからも隊長の羽に関しては訊かれてますので、見かけたのかもしれません」
「そう言えばさっき、シリルにも見られたな」

 直前の仕事でとっさに飛んだ事を思い出す。
 ちょうどシリルがいて目を丸くしていたのが浮かんだ。

「俺とエルリックだけですか、知らないの」
「えーと、私がエルリックに隊長の羽について訊いたので、見たことないけど知っています……。驚いてました彼も」

 フィリアが追い打ちをかける。
 セドリックが泣きそうな怒りそうな複雑な表情をしていた。

「別に隠していたわけじゃないんだが……」

 なんとなくバツが悪くなって、思わずそういう。
 本当に単に言いそびれていたというかタイミングの問題だった。

「じゃあ、以前に天使だったというのはどれくらい前のことになるんですか?」

 さらにフィリアが突っ込んで聞く。

「それ、初耳です」

 セーラムも驚いたようにこちらを見る。
 言われてふと考え込む。
 どれくらい前だろう。

「この姿がだいたい数万年、いやもっとか?前の時だから……、よく、覚えてないな。それよりかなり前だな」

 懸命に記憶を引っ張り出そうとするが、やはりまだよく分からない。

「ああ、下がいると記憶に封印がかかっていると言いますから、それですか?」
「たぶんそうだろう。下はまだ俺がどれくらい昔のことになるかさえ、よく分かってないから」

 セーラムの問いにそう答える。
 フィリアとセドリックは逆に驚いた顔をしていた。

「数万年前って、私が天使族として生まれたのがそれくらいです」
「俺、その頃何やっていたかなぁ?」

 二人のつぶやきに逆に驚く。
 隣でセーラムがため息をついた。

「なんとなく上だと思っていましたが、さらに上だった訳ですねぇ」

 しみじみ言われて嫌な顔になる。
 
「総指揮官よりは年下だ」

 思わずそんな事を言ってしまう。

「あの方より上だったら、その方が怖いです」
「同感です。マスタークラス、大天使様方と平気で話されるあの方より下で無ければ、いったい何者だと疑いますよ」
「俺……天使族でなくて良かったかも」

 それぞれ自由気ままなことを言う。

「もう、好きに言ってろ」

 これ以上何か言うと余計に墓穴を掘りそうだったので、立ち上がる。
 ちょうど休憩時間も終わるころあいだ。

「ああ、私も戻ります」

 セーラムが一緒に立ち上がる。

「羽、見せてくれないんですか?」

 セドリックが訪ねる。

「ここで広げたら迷惑だろ。そのうち仕事で見る機会があるだろう」
「えええ~~~~」

 そう伝えて唸るセドリックを置いてオフィスに戻った。

~・~・~・~・~・~

という訳で羽の話。
基本羽出さずに動いております、奴は。

羽があることに対してなんか言われてたな~、と思っていたら解凍されました。

こうやって解凍してみると、本当に仲良いね、遊撃隊の人たちと。
全員でご飯を食べに行ったこともあるそうなのでいつか解凍出来るといいなぁ。

基本人物紹介は下に本体がある人たちだけ、なのですが、上の人たちの紹介も作った方がいいのかなぁと最近思い始めました。

半分が上の人になっているし……。
このタイトル(水晶薔薇庭園館綺譚)自体がなんか命名間違っていたかなぁと最近思うし。
でも当時はこんなにステーションで仕事をするとは思っていなかったから(苦笑)

ったくも~。

※登場人物などに関しましては「水晶薔薇庭園館綺譚について」をご参照ください。


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なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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