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ただの物語 72 お願い

 これはただの物語です。
 さらっと流して下さいね? 


******


 自分の出番が終わり、部屋に戻って重たい衣装を脱ぎ棄てた。
 そして修行中の神官が着る、配給された服に袖を通す。
 これでお役目御免だ。
 あと二日はグラウンディング用にここに居る羽目になるが、それは修行とかが無いので、気楽にして神殿内の散歩でもしていればいい、とは聞いている。

 その時、部屋のドアがノックされる。
 幾ら神事が終わったばかりとは言え誰だろう。
 不思議に思って扉をあけると先ほど別れた時の衣装のままのティーラが居た。

「ティーラ?どうしたんだ?」

 思わずびっくりしてたずねる。
 これからまだ色々明日の神事の準備とかがあり、大変だと聞いていたのだが。

「フィン、あのね、神官様の結婚式でも歌って欲しいの」
「はぁっ?」

 思わず声が裏返った。

「あのね、ティーラ、結婚式ってね」
「大祭のおわった○日後だから」
「歌担当の神官の喉は治っているんじゃないのか?」
「治っていても練習時間が無いもの。いきなり大神官様の結婚式の本番では歌えないと思うわ」

 言われて黙る。
 確かにマスターの結婚式と言ったら、大事になるだろうことは予想がつく。
 大神官でもあり、軍でも部隊長であり、それなりのものがある。
 そんな中ろくに練習も出来ずに祝福の歌は歌えないだろう。

「ね、お願い。一緒に祝福の歌を歌いましょ?」

 期待に瞳をキラキラさせて言われると、さすがに断りづらい。

「他の高位神官様方は、今回のフィンの歌を聞いて、何も問題ないって思ってらっしゃるし。
 フィンだって大神官様をお祝いしたいでしょ?」

 確かにそうだけど……・。

「……………、軍の、休みがそれだけ取れるなら」

 ハッキリいってこっちの方が問題だった。
 何せ報告書を中途半端に放り出したままなのだ。
 そっから更に○日休みをくれと言って、貰えるものなのだろうか。
 下手したら除隊だな。

「じゃあ、お願い、早速確認してみてね。当日の服は今回の衣装をいじれば大丈夫というお話しだから」
「……わかった」
「じゃあ、私はやる事があるから、またね」

 そう言うと彼女は走り出した。

「ティーラ、気をつけて!」

 見送りながらそう言うと、こちらを振り替えて笑った。
 が、その直後に壁にぶつかりそうになる。
 大丈夫だろうか。

 そして更に神殿に居る羽目になりそうなのに気付いて、思わず深いため息をついた。


******

神殿に残り決定、した話 苦笑
だってあのキラキラお目目に弱いんだもんww

でも実際の結婚式はまだ解凍出来ず orz

出てくるんかね?


*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。

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ただの物語71 帰還連絡

これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね。

******

 一番最初に戦場で人を殺した時、一日中その感覚が手にへばりついていた。
 あまりに気持ち悪さに、嘔吐し、ダウンしていたら、嫌な上官に下世話な本気ともつかない冗談でからかわれた。
 それゆえにそれからは気持ち悪くても、どんなに体調が悪くても出来るだけ表に出さないように、気をつけるようになった。

 一応覚悟をしていたとはいえ、人を殺すのはこんなに嫌なものだったとは。
 
「でもその分、ちゃんと生きようと思わなければ、駄目だぞ」

 そう言ったのは同じ小隊の上官だった。

 作戦から帰ってきて、すぐの休みの日に神殿を訊ねようとした。
 ティーラとの約束で作戦に行くことを伝えたら、必ず来るように約束させられたのだ。
 しかし門の前まで行って、躊躇する。

 この血に汚れた、人を殺めた手で、彼女を抱きしめるのか?
 巫女になるために修行している彼女を、汚すだけじゃないのか?

 そう思って面会受付を前にして、踵を返そうとした。

『エル・フィン!ちゃんと顔を見せに来て!』

 いきなりそういう心話が飛んできた。
 どうやら向こうは待ち構えているようで、思ったより距離的に近かったらしい。
 そうするとこちらの逡巡も筒抜けだったかもしれない。

 一応神殿の領域は多種多様な結界を敷いているとはいえ、ツインの心話や共鳴はまるっきり障害にならないようだ。

 苦笑して受付を通して面会を申し込む。
 すると本当に待ち構えていたかのように、彼女が飛んできた。

 いきなり両手で顔の左右を挟みこまれ、目をのぞきこまれる。
 真剣なその表情に戸惑っていると、何か納得したように微笑まれた。

「よかった。貴方は何も変わってないわ」

 その安堵した言葉に、少々自虐的になる。

「変わったよ。人を殺した。何人も」

 そう伝える。
 仕事とはいえ、その事実は変わりようがない。

「いいえ、貴方の魂の根本は何も変わってないわ。人を殺すと歪みを生じる人もいるけれど、フィンにはそれがないわ。大丈夫よ」

 にっこり笑ったそのきれいな笑顔に、思わず微笑んだ。

「そう言われると、安心するよ」

 そう、何よりツインのティーラの保証が一番安心する。

「お帰りなさい」

 言われて破顔した。
 確かに言い忘れている。

「ただいま、無事に帰って来たよ」

 そう言って彼女を抱きしめた。


 それ以来作戦が終わったすぐの休みに、彼女に会いに行くのが習慣になった。
 もちろん修行の関係で会えないこともあったけど。
 その時は花を託して返ってくる。

 事情がありすぐに行けないときは、内緒で花だけを守護龍に託して、彼女の部屋の窓に届けてもらうようにした。

 無事に帰ってきた証に。


******

ちなみに本当は神殿には結界が沢山あって、本当なら心話や共鳴も出来ないよーになってたりして 苦笑
どーも色々とお目こぼしを戴いていたよーです。
もしくはこれは既に結界内に居たのかもです。
よー分かりませぬ。
もしかしたら、守護竜(シェーン)の力もあったかもねw

それにしてもここまでラブ♪なのに、プロポーズがあそこまで遅かったのは何故だろう 苦笑
いや、ラブ、だからこそ遅れたのか??
その辺りは未だに不明のままなのです orz

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。

ただの物語 70 単位

何度目かの連動企画~、wakka○さんと 苦笑
歩等に向こうが思い出すとこっちが、こっちが思い出すと向こうが思い出すっつー 苦笑
本当にどんだけ縁が深んだ 爆

これはただの物語です。
 さらっと流して下さいね?

******

『 告知

  ルーシェンス=********
  +++++=@@@@
  @@@@@@=***

  以上上記の者、****のレポート未提出につき
  ○日までに提出のない場合、
  △△の単位を履修出来ないものとする。

             以上
 
       △△△学部 
       ******=@@@@@@』


 その告知が出たのは今日のことだった。
 ○日、と言ったら3日後だ。
 
「ねえ、知らせなくて良いの?」

 一緒に歩いていたリーシャが聞く。

「大丈夫だろう、1日前には戻ってくる予定だ。放っておけ」

 そう言ってそのまま掲示板を通り過ぎようとした。

「でもルーシェのことだから、その予定通りに返ってくるとは限らないし、単位落としたら“なんで教えてくれなかったんだ”と責められるんじゃない?」

 言われてふと考える。
 確かにそうかもしれない。
 そのほうが面倒なのは火を見るよりも明らかだった。

 仕方がないので端末で、ルーシェを呼び出す。
 が、出ない。

「ったく!」
「出ないの?」
「出ない。
 多分端末をどっかに入れっぱなしにしたか、落としたか、逆に忘れて行って家に置いてあるのだろう。
 まいったな」
「あ……、それもルーシェらしいわねぇ」

 思わず二人して嘆息する。

 そしてふと、双子の弟のルークのところに泊まると言っていたのを思い出した。
 ルークの家はさすがに何処にあるか知らないが、端末の番号だけは聞いていた。

 それを思い出しそこに掛ける。
 最もめったに掛ける用などないのだが。

 数コールもしないうちにルークは出た。
 良かった。

『はい、ルークァンスです』
「エル・フィンだが……」
『ああ、久しぶり』

 相変わらず淡々とした声が聞こえる。
 声は同じなのにしゃべり方が全然違うので、逆に安心して話ができる。

「久しぶり。
 早速だがルーシェ、ルーシェンスは今そこに居るよな?」

 前振りをブッ飛ばして要件に入る。
 ルークだから出来ることだ。
 ルーシェだったらまず勝手にダーーーーーっと喋りまくるので、要件に入るまでに時間がかかる。
 更にいきなり要件に入ると機嫌が悪くなるので、急ぎの時はすごく困る。

『うん、いるけど』
「代わってくれ。あの馬鹿、自分の端末に出ないんだ」
『……代わるよ』

 こちらの愚痴に一瞬黙ったが、あっさりルークは替ってくれるようだった。 

『もしもし・・・・・?』

 ちょっと不思議そうに同じ声ながら、違う奴の声が聞こえた。
 ルーシェだ。
 ルークの奴、説明もなく強引に端末を押しつけたようだ。
 そうじゃなきゃ、うだうだ言うに違いない。

「ルーシェ?」

 念のために呼びかける。
 
『エル・フィン!?どうして、ここが…』

 驚きまくった声でこちらを呼ぶ。
 よし、声だけで俺だと分かったのは褒めてやる。

「お前、自分で週末は結婚式で、ルークのところに泊まるって浮かれてただろう」
『う、うん』

 思わず呆れかえり、ため息をつきながらそう言うと、本人も思い出したようだ。

「用件のみ言う。****のレポートが出てないそうだ。
 明後日・○日までに提出しなければ単位はない。
 そう掲示板に呼び出しが書いてあったぞ」
『えええ~っ。あつぅ』

 驚いたような大声でルーシェが叫ぶ。
 ついでに何処かぶつけたらしく、変な声が聞こえたがそれは無視する。
 そうしないと話が横道にそれる。

『****のレポートって、俺出したはずなんだけど』

 ルーシェがそう言い募る。
 おい、じゃあ、どうしてこの掲示にお前の名前が載っているんだ?

「俺が知るか。お前の分まで管理できないぞ。とりあえず伝えたからな。
 落とすか落とさないかは、後はお前が決めろ。
 じゃあな」

 それだけ言うと強引に通話を切る。
 切った途端ため息が出た。

「ったく世話の焼ける」
「……どうだった?」

 隣でずっと会話を聞いていたリーシャがそう聞く。

「出したはずとかほざいていたぞ」
「じゃあ、ロッカーかかばんとかの中ね。きっと出したつもりで忘れているんでしょ」
「そうだろうな」

 こっちもルーシェの性格は長年の付き合いのために分かっている。
 だからこそ、そこら辺を探って提出しておいてやろうとは思わない。
 そんなことした日には、次もやってくれると思って、文句を言うに違いない。

「さて、俺は授業に行くぞ」
「うん、頑張ってね。私は次のコマは入れてないから」

 そう言ってリーシャと別れ、別棟に向かった。


******

というヴェールの学生時代のお話し~♪
ふふふ、ほのぼのですねぇ ←

wakka○さんところもそろそろアップするはずなので、載せましたw
本当にルーシェって騒がしい もとい楽しい人でした。


*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。

ただの物語69 里親

これはただの物語です。
  さらっと流して下さいね。

******
 
「今度はこの子をお願いしたいんだが……」

 そう言って師匠(先輩?)が連れてきたのは、今度は8歳くらいの男の子だった。
 活発そうな、聡明そうなその子は期待と不安に目を揺らしていた。

 自分とツインは才能ある子供たちが学院に通うための世話をしていた。
 一種の里親、というようなものだろう。
 通常子供たちは寮に入り、そこで勉強をしてる事が多い。
 しかし自分の預かる子はたいてい色々事情があり、不遇な状況にあり、学院などに通える状況でない子がほとんどだった。

 そう言う6歳くらいから18歳くらいまでの子を面倒見ていた。
 最も私自身も学院で教べんをとる教師でもある。

 ただその子はあまり何か不遇があって、連れて来たって感じではなかった。

「今度は何処から連れて来たのですか?」
「えーと……、どこだったかな?」

 思わず目をそらして何かを思い出そうとする。
 その様子を冷ややかに見遣る。

「えーっとぉ、@@@@、:::::を通ってきたから・……あれ?ごめん、あっちこっちより道したから覚えてないや」

 悪びれずサラッというのを聞いて、思わず脱力する。
 まあ、それはいつものことだからいいとして、

「親にはちゃんと話してきたんですよね?」

 念のために聞いてみる。

「ごめん、今回それは省略した。その子がどうしても勉強したいって言うから、その熱意に負けてそのまま連れてきた」
「……………ふ~ん」
「…………あの、なんか怖いよ?」

 思わず目が据わるのが自分でも判ったが、さすがにつくろう気にもなれなかった。

「あのですね?それは一種の『誘拐』というものでは?『人攫い』ですよ?分かってますよね?」
「でもその子の意思に反して連れてきたわけじゃないから~」
「でも子供の親に無断に連れてきたら、十分人攫いだと思いますよ?」

 ため息つきながらその子のほうに見やる。

「あの、駄目ですか?」

 不安そうにしながらもはっきりと聞いてくる。
 そのことに思わず面食らう。

「ここに来たら色々教えてもらえるって聞いたのです。だから来たんです」

 必死に言い募ろうとするのに、思わず微笑む。

「そうだね、君の知りたいことはもちろん、そのほかにもたくさん勉強しないといけないけど、君が望むなら教えてもらえるよ」

 そう言うとほっとしたように笑った。
 それを見て、思わずつられて微笑む。

「******」

 家の奥に向かってツインでもある相方を呼び掛ける。
 ずっとこちらをうかがっていたのだろう。
 彼女はすぐに顔を出した。

「新しい子が来たよ。部屋に案内してあげて」
「わかったわ。こんにちは。私たちがここでは親代わりよ。よろしくね」

 そう言うと家の中に導き入れた。
 それを見送って、思わずため息をついた。
 確かにこれでは先輩が思わず連れてきたくなるわけだ。

「……とりあえず、預かります。ですから、一応、あの子のいた場所で親を探して、事情を説明してください。
 あの子を見ればわかる。
 親にすごく愛されて育ってきてる子です。
 両親はきっと死ぬほど心配している。
 場所が分かればこちらから手紙を出すんですが・……」
「ごめん、出来るだけそうする」
「それといい加減ふらふらせずに、教べんをとって後進の指導をしてください、と他の師匠から伝言が」
「それは無理だよ」

 先輩は最初は殊勝にいい、後半ははっきりきっぱりと断った。

「・……でしょうね」

 ため息とともにそう同意する。
 この人は一つのところに留まってはいない。
 でもそれはその使命のためで、この人のせいではない。

「じゃあ、頼んだよ」
「分かりました。それと定期連絡だけは忘れずに」
「分かったよ」

 そう言うと先輩はまた旅立っていった。


**********

ちなみに子供=静くん、先輩=トールさんらしいです(遠い目)

事情として。

ある高貴な人が周りの反対を押し切って子供を産んだのですが、その子が物心つく前に誘拐されたのが静くん。
誘拐された先で一番上のお兄ちゃんとして家族に愛されて育ったのですが、ひょんなことから自分が今の母親に誘拐された子だと知ったらしいです。
そこで産みの母親を探すためと、誘拐と言う事実を悟られない為?に家を出るのに、当時その町?を訪ねていた先輩に掛けあって、お願いして連れ出してもらったという事があったようです。

もちろんこちらは全然そんな事知らずに、そのままずーっと16歳くらいまで面倒みて育てていたりして。

ある時母親の居場所が分かったから、会いに行くと言うのを送り出したのですが、帰ってきたのは一枚の死亡通知でした。
どうやら学園に関わるものを持っていた為に連絡が来たらしい。

途中で事故に遭った為に、産みの親・育ての親とも会わずに亡くなったらしいです。

そんなこんなでこちらはやっぱり引っかかりがあったんでしょうね。
将来有望な子を失った事に対して。
死亡通知を貰って、一人泣いているのは思い出しましたから。

そんな訳もあって上で続き?のように引き取って一人前にしようと育てているっぽいです 苦笑

本当に面倒見良いなぁ、フィン。

*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。

ただの物語68 ヴェールの花

ある時ヴェール時代の知人に、
「こんな花で色が白のもの、覚えていませんか?」
と聞かれました。

写真は5弁のカップ状の緑っぽい花。
それを見て思い出したものです。

花の名前は「ヴェール」、惑星を象徴する春一番に咲く花です。
日本で言う桜みたいなものかな?

これはただの物語です。
 さらっと流して下さいね?


******

 ヴェールが満開な時期にティーラが体調を崩して、会いに行くのが遅れた。
 本当は親戚一同で集まって、花見に繰り出す予定だったのだが。
 だから彼女が治った時期を見計らって、両親と共に訊ね、ピクニックに出かけた。

「つまんない」

 そうティーラが不満そうに頬を膨らませる。
 満開の時期が終わり、ヴェールは遅咲きの花がちらほら付くだけとなっていた。
 かわりに春を告げるピンクの低木の花や、黄色い草の花が満開で、それはそれで綺麗なのだけど。

「仕方ないよ、ヴェールは咲き終わる時期だもの」

 そう言ってあちこちの綺麗な花を見て歩くけど、ティーラの機嫌は直らない。
 白いヴェールのカップ状の花は春を告げる花として、とても好かれている。
 何せこの惑星の名前のもととなった花だ。

 かつてはそれこそ星中に自生していたそうだけど、昔々の過ちのために荒れ地が多くなったこの星では既に町中や保護公園にしか見ることができない。
 それでもこの星の人たちは綺麗な白いヴェールの花を愛し、そこかしこにこの木を植えた。

「でもヴェールの花が見たかったの!」

 そう駄々をこねるティーラに困る。
 そうしてヴェールの木を見上げる。
 所々、遅咲きの花がポツンポツンと葉の合間に覗いている。

 でも小さなティーラでは手も届かない。
 僕だって無理だけど……。

「じゃあ、ちょっとだけ待っていて」

 そう言って一番丈夫そうな木に咲いている花をめがけて、足をかける。
 ヴェールの木は割と細めの木だ。
 何千年という月日を経ないと大木にはならないし、そう言う木は保護されていて上ることなど敵わない。

 期待と不安を抱きながらこちらを見るティーラに、大丈夫、とでも言うように微笑みかける。

 そうして慎重の木を登る。
 すると手の届きそうな所に、葉の合間に咲いているヴェールの花を見つけた。
 ただこれ以上は登れないようだったので、手を伸ばす。
 だけどちょっとだけ届かない。
 懸命に手を伸ばす。

 届いた!と思った時、足を滑らせた。

「うわっ!」

 いきなりで無理に体を伸ばしていたから、もう片方の手で体をさせきれなかった。
 そのまま下に落ちた。
 背中にドン!と衝撃が来る。
 一瞬息が出来なくなる。

「フィンっ!大丈夫っ?」

 そう言うティーラの声を聞いて、背中の痛みを押さえて目をあける。
 目に涙をいっぱいにため、心配そうにのぞきこんでいる。

「大丈夫だよ」

 そう言う。
 本当はすごい背中が痛くて、大変だったけど。

 手を見るとちゃんとヴェールの花は持っていた。

「はい、ティーラ。花を近くで見たかったんだろ?」

 そう言って手渡そうとしたら、ティーラは泣きだした。

「ばかぁ、そんなことよりフィンが怪我する方がやだよ~」
「ご、ごめん」

 慌てて起き上がり、焦る。

「ごめん、僕はほら、大丈夫だから、泣かないで」

 そう言うとしばらくは泣いていたけど、やがて泣きやんだ。

「危ないことしないで。お願い」
「うん、分かった」

 そう言って彼女の髪にに摘んだヴェールの花を挿してあげた。
 そうすると笑顔になった。
 僕もそれを見て嬉しくなった。

「さ、行こうか」

 そう言って手を繋いで、大人たちが居る場所に向かった。

 
******

はい、甘アマです orz
大体エル・フィン10歳くらいの話しかな~??
二人で歩いている時、ずーっと手をつないで歩いているんだよねぇ……・。
微笑ましいと言うか、ませていると言うか、日本人じゃねーなーっていうか 笑

ちなみにヴェールの花の咲き方は、ハナミズキに似ている、と私は思ってます。
あれで立体的なカップみたいだったら、本当によく似ているかも。

後足元には鈴蘭のような白い花が咲いているんですよね~。
あそこの春は新緑と白に包まれる感じですねw


*これの目次などにつきましては「ただの物語について」をご参照ください 。
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たか1717

Author:たか1717
なに見え遠足三期生です。
参加した後に起こった色々な「上」及びその関連のことを書いてます。
妄想かもしれないこの話、楽しんで頂けるとありがたいです。

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